2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケールプラズマジェット照射可能なプローブ顕微鏡微細加工システムの開発
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26289016
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岩田 太 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30262794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永津 雅章 静岡大学, その他の研究科, 教授 (20155948)
荻野 明久 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90377721)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / ナノピペット / 大気圧プラズマ / ナノ加工 / ナノ計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はナノピペット(先端に数十ナノメートルの微細開口を有するキャピラリーガラス管)を用いて、ナノスケールでの大気圧プラズマジェットを照射可能な走査型プローブ顕微鏡システムを開発することである。走査型プローブ顕微鏡により試料表面上に精度よく位置決め制御されたピペットプローブ先端より照射されたプラズマジェットによりナノスケールでの加工を実現する。また本装置のプローブ顕微計測機能を用いてプラズマ照射後の加工痕のその場観察や、加工中のプラズマ分光計測を行うことで局所的相互作用を評価する。 26年度はナノピペットをノズルとした大気圧プラズマジェット照射技術の確立と、走査型プローブ顕微鏡(SPM)システムとの複合化による微細加工・観察システムの構築を行ったた。ナノピペット開口からのプラズマ照射制御の高精度安定化を目的として基礎実験による最適化とそれに基き、装置を構成した。さらに構築した実験装置を用いて以下について取り組んだ。 (1)ナノピペットを用いた大気圧プラズマジェット照射の最適化 ヘリウムガスやアルゴンガスをナノピペットに導入し、高電圧パルスを印加することでピペット内にプラズマを励起させ、ピペット先端開口からのプラズマジェット照射を実現した。本研究では電極形状の工夫や印加電圧条件(波形、振幅、周波数等)を最適化することで安定したプラズマ照射可能なシステムを実現した。 (2)走査型プローブ顕微鏡の複合化によるプラズマ微細加工・観察システムの構築 上記にて最適化されたプラズマジェット照射可能なナノピペットをプローブとしたSPMを開発し、ピペット先端の高精度な位置決めと、照射後の加工痕や相互作用を観察するシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度において目標としたナノピペットをノズルとした大気圧プラズマジェット照射技術を実現し、プラズマ照射可能な走査型プローブ顕微鏡システムを構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
アッシングによる微細加工法開発 これまでに開発したプラズマジェット照射可能なSPMシステムを用いて表面微細加工を行う。固体表面上においてナノスケールでの局所的なプラズマ照射による微細加工と、その観察・評価を実施する。微細加工としては、局所アッシングによる除去加工に取り組む。まず局所的なエッチングの評価として、半導体プロセスで用いられるフォトレジスト表面での加工を行う。レジスト薄膜はスピンコータにてガラス基板上に塗布する。加工痕の観察には、プラズマ照射に用いたナノピペットをそのまま観察用プローブと して利用可能な本装置SPMにより、効率よくその場で表面形状観察・評価を実施する。パルス電圧や照射時間、ピペット先端高さなどの各種パラメータについて加工痕のサイズや深さとの依存性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
実験装置開発におけるの制御回路に関して条件だしに時間を要してしまい、電子回路製作を次年度に行うこととなり、それに関する物品購入および製作費を次年度に使用する必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
制御関連の電子回路の開発と関連物品の購入および製作費として使用する予定である。
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