2016 Fiscal Year Annual Research Report
高パワー作業を行う狭隘空間内作業マイクロロボットの開発
Project/Area Number |
26289025
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 和弘 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (00220632)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 俊完 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40401517)
嚴 祥仁 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (20551576)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | マイクロマシン / 先端機能デバイス / マイクロロボット / ER(電気粘性)流体 / 交流圧力 / 多自由度 / MEMS / 高アスペクト比 |
Outline of Annual Research Achievements |
震災等による建築物倒壊現場の瓦礫内,原子炉や化学プラントの細管内等の狭隘空間において高パワー作業を行うマイクロロボットを,研究代表者らが提案,開発している,交流圧力源を用いた多自由度ERマイクロフィンガシステムを発展,応用して実現することを目的に研究を行い,以下の研究成果を得た. (1)圧電バイモルフを用いたマイクロ交流圧力源の試作および特性実験:圧電バイモルフによりダイアフラムをたわませ作動流体を押し出し交流圧力を得る直径3.3mmのマイクロ交流圧力源をMEMS技術を用いて試作し,その動作を実験的に確認した.本圧力源は,研究代表者らが見出している,圧電バイモルフの弾性特性により,ある流量範囲で負荷流量によらずほぼ一定の圧力振幅が得られることを利用し,圧力センサなどの付加的なデバイスなしでほぼ一定の圧力振幅を得るものである.シリコンのエッチングプロセスにより直径3.3mm,厚さ30μmのダイアフラムを試作し,そこに直径3.2mmの圧電バイモルフを接着することにより試作を行った.試作デバイスの先に流路を介して直径1.6mm,厚さ5μmのダイアフラムを接続し,その中心の変位をレーザ変位計で測定することで,200Hzまで動作可能であることを確認した. (2)2自由度ERマイクロフィンガシステムの試作:前年度に試作した2自由度マイクロフィンガ部を(1)で試作したマイクロ交流圧力源と接続し,2自由度ERマイクロフィンガシステムを構築した.2自由度マイクロフィンガ部は,研究代表者らが開発したPDMS(シリコーンゴム)のマイクロモールディング技術を応用して製作した,長さ1.9mmで軸方向に並列に4個の液圧室を有する構造で,各液圧室の内圧により2自由度の屈曲動作を行うものである.これに対し,(1)で試作したマイクロ交流圧力源を接続してシステムを構築した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題で重要な役割を果たす2自由度ERマイクロフィンガシステムの試作はできたが,作動流体のきわめて小さな体積変化を利用するため,示唆に富む実験結果は得られているものの,正確な特性把握およびマイクロロボットへの応用はまだできていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後,試作したシステムの特性を正確に把握するとともに,高機能化を図り,マイクロロボットへの応用を図る予定である.
|
Causes of Carryover |
本研究課題で重要な役割を果たす2自由度マイクロフィンガシステムの試作はできたが,作動流体のきわめて小さな体積変化を利用するため,示唆に富む実験結果は得られているものの,正確な特性把握およびマイクロロボットへの応用はまだできていない.今後1年間研究を継続すれば,本システムの特性を正確に把握するとともに,高機能化を図り,マイクロロボットへの応用を図ることができると考えられる.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後,試作したシステムの特性を正確に把握するとともに,高機能化を図り,マイクロロボットへの応用を図る予定である.
|