2014 Fiscal Year Annual Research Report
回転系振動格子乱流における乱流拡散と渦構造に及ぼす回転効果の解明
Project/Area Number |
26289034
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
森西 洋平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40222351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345947)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
回転系振動格子乱流について,近年構築した大型実験装置を用いた実験,および回転系ナビエ・ストークス方程式による直接数値計算(DNS),を実施した. 回転系振動格子乱流の実験は,近年構築した大型実験装置を用い,回転系からx-z断面(回転軸を含む断面)でのPIV計測を実施し乱流統計量を算出した.PIV計測には本年度の研究費で購入した高速度カメラを用いた.回転タンク内の振動格子乱流の実験では乱流生成格子の振動に伴う二次流れが問題となるが,メッシュ幅M = 30 mmでは二次流の影響がみられるものの,M = 50 mmではその影響がほとんど見られずより理想的な実験となる事を確認した.さらに,メッシュサイズM=50 mmで,格子振動ストロークS = 40mm, 格子振動周波数 fg = 2.0 Hz, タンク回転数 Ω = 0, 15 rpm の条件で実験を実施し,流れ構造,乱流強度,乱流エネルギー収支,等に対する回転の効果を調べた.これらの結果については日本機械学会東海支部第64期総会・講演会で講演発表を行っている. 回転系振動格子乱流のDNSは,ALEタイプの移動変形格子に拡張された自乗量保存形の差分スキームを使用し,乱流生成格子を差分格子で正確に表現し実施した.計算領域は水平方向(回転と直交する方向)に4M × 4M、回転軸方向に20Mとし,水平方向に周期境界条件,回転軸方向の上下面はすべり無し壁面境界条件とした.乱流生成格子の1片の長さはd = M/5,乱流生成格子の振動ストロークはS = 4M/3とし,レイノルズ数ReM = fgMM/ν=2700,ロスビー数Ro = fg/(2Ω) = 1.43, 0.716, 0.258, 0.239 の4例のDNSを実施した.計算結果を用いて流れ場の可視化を行い,振動格子乱流に対するDNSとしては初めて,慣性波の存在が確認された.また,各種乱流統計量に及ぼす回転の効果についても定量的に示した. これらの結果については,第28回数値流体力学シンポジウムで講演発表を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成26年度の研究実施計画に記載した2点,つまり大型装置を用いた回転系振動格子乱流の実験,および自乗量保存形の差分スキームを用いた回転系振動格子乱流のDNS,についてほぼ予定どおりに研究を実施した.またそれぞれについて,日本機械学会東海支部第64期総会・講演会,および第28回数値流体力学シンポジウム,にて研究成果を発表している.
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Strategy for Future Research Activity |
回転系振動格子乱流の実験については,平成26年度に引き続き,タンク回転角速度Ω,格子のメッシュ幅M,振動ストロークS,振動周波数fg ,を変化させた実験を実施する.平成26年度と平成27年度の実験によって研究計画調書に示した実験条件の実験を一通り実施した後,一旦実験結果を整理する.そして,現象をより適切に議論するための基準条件の変更や追加実験の条件も検討する. 回転系振動格子乱流のDNSについて,平成26年度に作成した計算コードを用い,乱れの大きな条件(格子の振動ストロークSと振動周波数fgが大きな条件)に対する大規模数値計算を実施する.また,回転系一様減衰乱流では回転の線形効果(慣性波)と非線形効果(移流項)の役割が議論の的となっており,本研究ではその詳細を検討するため,運動方程式の移流項を除外した計算が実施できるように計算コードの準備を行い,数値計算を実施する.また、計算結果の出力に関し,1点および2点統計量の算出に加え,各種乱流統計量の輸送方程式の収支も算出するようにして,輸送方程式の各項の役割を通して乱流力学が議論できるように準備を進める.
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