2015 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ加熱火炎面曲率制御法によるGT燃焼器の不安定振動燃焼トリガー機構の研究
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26289042
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 修 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10183930)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 燃焼 / 予混合火炎 / 音響振動 / 不安定現象 / レーザ / 乱流火炎 / 火炎曲率 / ルイス数 |
Outline of Annual Research Achievements |
管内伝播火炎の不安定振動現象のトリガーとなる機構の研究について、以下の3点について成果が得られた。 (1)管内伝播火炎のトリガー機構理解の進展:前年度の研究により構築した伝播管実験装置を用いて管内伝播火炎に音響振動が生じる条件を実験的に明らかにした。本年度は前年度からの継続実験において、各変数を詳細に変化させることで、管内に形成される音響振動振幅が、Coupling constant (=βM, β:ゼルドビッチ数、M:無次元燃焼速度)に対しリニアな依存性を示すこと、さらにLe(ルイス数)によりその直線関係の切片が明確に変化することを示した(Pressure couplingと呼ぶ)。一方、変形した火炎面(レーザ照射法により任意に変化させる)が音響振動にさらされることによる火炎面積の時間変動は、相対的に音響振動の拡大要因になりにくいことを示した。 (2)火炎の伝播方向による不安定性が生じる臨界条件の違いの検討:伝播管内での火炎の上方伝播と下方伝播の比較を行い、上方伝播の方が不安定振動燃焼が生じにくいことを示した。その要因として、上方伝播の方が伝播速度が大きく相対的に熱損失が小さいことから、管内の音響周波数が増加し、その結果としてエネルギー減衰が生じやすいことが考えられることを示した。 (3)開放型火炎の装置の構築と予備的検討の実施:開放型平面火炎バーナを制作し、平面火炎を形成することに成功した。 これらの一連の成果は、ICDERS2015やPRTEC2016などの国際会議や多くの国内会議で発表したほか、2016年度に開催される国際燃焼シンポジウムの口頭発表論文としても採択されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はほぼ順調に推移している。研究推進にあたり中心的な役割を担う伝播管実験装置では順調に成果が得られており、学会発表や研究論文の提出も行われている。一方開放型火炎を用いた実験では、装置製作が完了しデータ取得を開始した段階であるが、本格的な成果取得は次年度となる。
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Strategy for Future Research Activity |
伝播管実験に関してはこれまで多くの実験データが取得できており、今後は理論的検討と実験を並行して進める。また、得られた成果を種々の講演会、学術論文として公表していく。開放型バーナ火炎の実験では実験変数を系統的に変化させる本格的データ取得を行う。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通りの支出状況と考えられるが、開放型平面火炎バーナの実験数が若干予定より少なく、消耗品類の支出が少なくなったことなどが要因と考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開放型平面火炎バーナの実験を予定通り実施することで当初想定の執行状況になると考えている。
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