2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of quantum nanostructured thin film hybrid photovoltaics
Project/Area Number |
26289045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野崎 智洋 東京工業大学, 工学院, 教授 (90283283)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノマイクロ熱工学 / 再生可能エネルギー / 太陽電池 / 量子ドット / プラズマCVD |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコン量子ドット(以下,SiQD)に含まれる結晶欠陥を完全に取り除くことで電子移動度が向上し,太陽電池の短絡電流を著しく増大できる。さらに,電子移動度が大きくなれば活性層を厚くして光吸収量を増大し,相乗的に光電気変換能を高めることができる。今年度の研究では,フッ酸ドライエッチングによりナノ粒子表面を水素で完全終端した平均粒径6nmのSiQDを対象に,低温熱処理によって内部欠陥を低減するための装置開発および物性評価を実施した。加熱温度と加熱時間の積で与えられるサーマル・バジェットをパラメーターに,純水素雰囲気(100 kPa)で低温熱処理した。その結果,150℃で2時間の熱処理によってESR(常温)で同定した欠陥由来のピーク強度が1/20に低減した。一方,処理温度が250℃を超えると,表面水素(Si-Hn)の脱離によってダングリングボンドが形成された。すなわち,合成後のSiQD内部には結晶欠陥が潜在的に形成されること,内部欠陥はHFエッチング(表面処理)では除去できないこと,しかし低温熱処理によって1桁以上低減できることを明らかにした。結晶欠陥を低減したSiQDを用いることで,エネルギー変換効率約5%(AM1.5)の有機無機ハイブリッド太陽電池(SiQD/PTB7)の開発に成功した。ハイブリッド太陽電池にはCdやTiO2など,金属または金属酸化物のナノ粒子が多用されるが変換効率は最大でも約4%であり,既往の研究と比較して本研究で得られた成果は極めて有望である。SiQDの結晶成長欠陥を完全に除去するには至っていないが,このことは発電効率のさらなる向上が可能であることを示唆している。今後の課題として,SiQD合成後の後処理だけでなく,プラズマCVDプロセスそのものの改良により,結晶成長欠陥を極限まで低減するためのシリコンナノ結晶合成法を確立する必要がある。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
FB Juangsa:機械学会熱工学部門・講演論文表彰/山崎匠:第27回日本MRS年次大会奨励賞/Y Muroya:Best Oral Presentation(10th Asia-Pacific Int Symp)/亀島晟吾:IPCS Scholarship/他 学生受賞6件 田園調布学園特別講義2回(5/27,10/11),香川高専特別講義(10/5),オープンキャンパスなど研究室公開5回
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