2014 Fiscal Year Annual Research Report
超音波アシスト水熱法による非鉛圧電厚膜の小型アクチュエータへの応用
Project/Area Number |
26289059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 剛 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水熱合成法 / 圧電厚膜 / 強力超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、超音波アシスト水熱合成法によるPZT膜の複数回合成による厚膜化に関する研究を行った。水熱合成法は出発原料の溶液を圧力容器に入れ、密封して熱することにより、高温高圧下で反応を促進させる合成法である。本研究ではさらに、反応中に超音波を照射することで音響流やキャビテーションを発生させて反応を促進させることで、得られる膜厚を増やすことができる超音波アシスト水熱合成法を採用している。 超音波アシスト水熱合成法を用いたPZT成膜の先行研究では出発原料としてZrCl2O・8H2Oの1 mol/Lが6.86 mL, Pb(NO3)2の1 mol/Lが11.48 mL, TiO2 + H2Oが0.13 g+ 5.15 g, KOH 4 Nが26.38 mLで、温度160℃で24時間反応させた。このとき、最初の18時間を共振周波数30kHzのランジュバン型振動子を用いて超音波照射をするという条件で、Ti基板上に最大の膜厚を得られることがわかっている。しかし、同条件で2回繰り返し成膜を行うと、1回合成した時の2倍の膜厚が得られない。そこで、先行研究の条件によって1回の成膜で得られるPZTと同様な組成が得られるように、先行研究では出発溶液のTi/(Zr+Ti) = 0.2だったのを、本研究ではTi/(Zr+Ti) = 0.6として、つまりZrCl2O・8H2O 1 mol/Lを6.86 mL, TiO2 + H2Oを0.41 g+ 8.61 gに変化させて合成実験を行った。 その結果、先行研究の条件では2回合計で7.5 + 3.0=10.5 ミクロンの厚さを得ることができたのに対して、本研究では7.5 + 23.6 = 31.1ミクロンの厚さを得ることができた。また、この条件で4.5 mm×1.0 mm×0.10 mmのTi基板上に31モードの振動子を作り、振動速度を測定したところ5VP-P、552 kHzで共振し、2.2 mP-P/sの振動速度を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強力超音波照射を行うことによって、圧電厚膜の膜厚を厚くすることに成功し、その新道徳性評価を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、振動子の振動モードを検討して共振駆動型SIDM用の小型ステータ振動子を設計し、アクチュエータとしての振動特性評価を行う。また、チタン酸バリウムなどの非鉛圧電厚膜の利用も検討していく予定である。
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[Presentation] 超音波アシスト水熱合成法2014
Author(s)
森田剛, 太田賀奈子, 工藤遼, 大久保康平, 五十部学
Organizer
第43回EMシンポジウム
Place of Presentation
東京理科大学 森戸記念館 (東京都 新宿区)
Year and Date
2014-06-05 – 2014-06-06