2015 Fiscal Year Annual Research Report
超音波アシスト水熱法による非鉛圧電厚膜の小型アクチュエータへの応用
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26289059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 剛 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 厚電圧膜 / 水熱合成法 / 圧電アクチュエータ / 非鉛圧電材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者が独自開発した超音波アシスト水熱合成法によって、環境負荷の小さい非鉛圧電圧膜を創成し、小型アクチュエータに応用することを目的としている。 本年度は、鉛系PZT厚膜を複数回の超音波アシスト水熱合成法によって成膜する際に、1回目と2回目以降では最適条件が異なることを明らかにして、30ミクロン厚の成膜に成功した。従来の超音波アシストを行わない成膜に比べて5倍以上の厚膜化に成功したことになる。このとき、結晶構造としては正方晶と菱面晶の境界相とすることが厚膜化の条件となっており、厚膜化とともに、圧電効率も優れた成膜条件となっていることがわかった。 また、非鉛圧電材料として検討してきたニオブ酸系の材料では、水熱合成条件が240℃と、超音波アシストするための超音波振動子には厳しい温度条件であるために、本年度はチタン酸バリウムの超音波アシスト水熱合成を試みた。この場合、反応温度が90℃と非常に低くできることに特長がある。今までに報告されているチタン酸バリウムの水熱合成薄膜では、200nm程度の粒子が基板に付着している程度であったが、超音波アシストを行うことにより4ミクロンの膜厚となることを明らかにした。今までに研究してきたPZTやニオブ酸系の薄膜合成の場合と同様に、超音波アシストを行う時間帯に最適条件が存在しており、チタン酸バリウムの場合には12時間であった。この厚電圧膜について、圧電応答型原子間力顕微鏡の観察により、成膜中に自発分極が揃うことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非鉛圧電材料の圧電厚膜が4ミクロンの厚みで得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
チタン酸バリウムの平滑化を行い、圧電アクチュエータへと応用する。
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