2014 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導回転機用電機子巻線の交流損失低減手法の系統的研究
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26289072
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福井 聡 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70293199)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高温超伝導コイル / 高温超伝導回転機 / 交流損失 |
Outline of Annual Research Achievements |
Bi系及びY系線材を用いて巻数の異なる小型のレーストラック型パンケーキコイルを複数個試作し,それをスロットのある積層電磁鋼板と組み合わせて,単相の模擬試験装置を開発する。この装置と既に開発しているパワーメータ法及び蒸発法を組み合わせて,基礎的な交流損失特性を測定する。平成26年度の研究では,まず,Bi系線材を用いた小型のレーストラック型パンケーキコイルを試作し,それをスロットのある積層電磁鋼板と組み合わせて,単相の模擬試験装置を開発した。この装置を用いて,パワーメータ法により,基礎的な交流損失データを取得した。さらに,FEM解析により,コアのスロット内で試験コイルの線材に加わる垂直磁界の分布を詳細に解析した。スロット内の試験コイル近傍に磁性体を配置することにより,垂直磁界を低減できることを見出した。解析結果に基づき,上記の単相試験装置に本方法を適用して,試験コイルの交流損失を測定したところ,スロット内の試験コイル近傍に磁性体を配置することにより,交流損失を低減できることが明らかになった。 平成27年度は,以下の研究を行う。 ① コア内に配置した高温超伝導コイルの交流損失解析モデルの開発を行い,コイルのターン数,積層数やコアスロット内のコイル配置,コア構造と交流損失の関係をを評価する。 ② Y系線材を用いた試験コイルを作製し,H26年度の研究で得られた交流損失低減効果を確認する。 ③ 三相巻線を模擬した測定装置を開発し,交流損失特性の測定に着手する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書段階では,以下の3項目の研究を想定していた。 ①単相模擬試験装置の開発 ②理論解析による交流損失低減条件の検討 ③単相試験装置による交流損失低減効果の原理的検証 上記は順調にすすみ,おおむね所期の結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,以下の研究を行う。 ① コア内に配置した高温超伝導コイルの交流損失解析モデルの開発を行い,コイルのターン数,積層数やコアスロット内のコイル配置,コア構造と交流損失の関係をを評価する。 ② Y系線材を用いた試験コイルを作製し,H26年度の研究で得られた交流損失低減効果を確認する。 ③ 三相巻線を模擬した測定装置を開発し,交流損失特性の測定に着手する。
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Causes of Carryover |
当初は,研究代表者が所有する交流電源を単相での測定に用いる予定であったが,それに不具合が発生したため,単相の交流電源を新規に購入した。また,パワーアナライザを新規購入した。そのため,購入予定であった三相交流電源の調達をH27年度に見送ることにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
三相模擬試験装置の開発に合わせて,H27年度の早い時期に三相交流電源を購入する。
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