2014 Fiscal Year Annual Research Report
高度な電気機器設計の基盤となる高性能電磁場解析の実現
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26289075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩下 武史 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (30324685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美舩 健 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20362460)
平石 拓 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (60528222)
高橋 康人 同志社大学, 理工学部, 助教 (90434290)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電磁場解析 / 電気機器 / 線形反復法 / 高性能計算 / 並列処理 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 電動モータ等の商用電源により駆動される電気機器の解析では、定常周期解の導出が求められる。電気機器内には鉄心等の非線形材料が用いられることが通常であるため、定常周期解の導出には時間発展型の非線形解析が用いられ、多くのタイムステップを要し、多大な計算時間が必要となっていた。こうした解析を高速化する技術として、TP-EEC法が用いられてきたが、平成26年度において、TP-EEC法と並列処理の双方を活用可能とする並列化TP-EEC法を提案した。提案手法の有効性をPWMインバータ駆動IPMモータを対象とした数値実験で検証し、その有効性を確認した。 2 電磁場有限要素解析で事実上の標準線形ソルバとなっているICCG法について、SIMD演算機構を効率的に利用する新たな前処理手法を提案した。提案手法では、前処理行列生成に用いる不完全コレスキー分解においてブロックを単位としたフィルイン判定基準を用いることにより、前処理計算のSIMD化を可能とし、併せて収束性の向上を行う。その結果、疎行列データベースを用いた数値実験で従来法であるIC(0)-CG法と比べてより高い性能を実現した。 3 マルチグリッド法に基づいた高周波有限要素解析において、高並列計算実行時に問題となる最粗グリッドに関する計算を効率化する方法を提案、実装し、評価した。 4 複数の並列電磁場解析を並列計算機上で効率的に行う枠組みについて研究し、そのプロトタイプをジョブ並列スクリプト言語Xcryptを使って実装した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、最新の計算機技術と解法技術の併用による電磁場解析技術の高度化を目的としている。平成26年度において、本目的に合致する研究成果が得られており、また当初の研究計画との大きなずれもないため、研究は順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画では、メニーコアプロセッサや大規模並列計算環境の効果的な活用など、実装面での改良法について取り組みを行っていく。具体的にはSIMD演算の活用や多様な並列計算機システム上の電磁場解析の効率的な実行に関する研究を行う。また、これまでに得られた研究成果について、実応用事例への適用を視野に入れた研究開発を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度内に執行を行ったが会計処理上の理由で平成27度の処理となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に執行済みで会計処理が翌年度となった分について、当初の計画に加えて平成27年度に執行する。
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Research Products
(7 results)