2014 Fiscal Year Annual Research Report
パルス大電力により生成した水中微細泡を活用した微生物および菌類の処理法の開発
Project/Area Number |
26289079
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
今田 剛 新潟工科大学, 工学部, 教授 (60262466)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電気機器工学 / 環境技術 / パルス大電力 / 水中放電 |
Outline of Annual Research Achievements |
水中に設置した電極間(ギャップ長0.25mm)に15kV、0.3kA、4μsのパルス大電力を印加し、以下の実験・検討を行った。 1.バックライト法による微細泡の挙動の観測 パルス大電力の水中への注入により発生した微細泡にバックライト照明を当て、泡の輪郭を強調しビデオ撮影をすることにより、微細法のマクロな挙動を観測した。とくに、電極から水面までの水高を変化させた場合の微細泡の拡がりを検証した。水高が高い、すなわち、電極上方に十分な水がある場合、微細泡は電極の上下にほぼ均等に拡散した。一方、水高が低い、すなわち、電極直上に水面がある場合、微細泡は主に電極の下方に拡がった。これは、電極上方に拡散した微細泡が水面で反射し、電極の下方に進展するためである。これらの結果から、処理容器内に必要十分に微細泡を拡散させるための電極配置の一条件が明らかになった。 2.シャドウグラフ法による衝撃波の観測 可視レーザー光を凹レンズおよび凹面ミラーの組み合わせで大口径の平行光線に変換し観測対象媒質(パルス大電力を注入した水)に照射し、シャドウグラフ像を望遠レンズと高速度カメラの組み合わせで撮影することにより、水媒質の密度変化の2次元像を観測した。パルス大電力による電極近傍媒質への瞬間的で局所的なエネルギー注入に伴う密度擾乱の発生が観測された。密度擾乱の一部は電極から球面波状に進展している。その進展速度は平均1500m/sであり、水中の音速と一致することから衝撃波であることがわかった。衝撃波は水面や容器壁面で反射し、水中内に100μs以上の期間、存在していた。今後、微細泡の拡散と衝撃波の関わりについての検討が必要であることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究計画に比べ、ミクロな衝撃波の観測について未実施の部分が若干あるが、4年間の研究計画の中での影響は限定的であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究計画どおり、発泡特性の解明(含む、ミクロな衝撃波の観測)、微生物の不活化の実証、高電圧電源の設計製作を進める。
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Causes of Carryover |
旅費の未執行分が次年度使用額の生じた大きな理由である。個々の理由は、成果発表にて発表会場が大学近傍で旅費がかからなかったこと、研究・機器仕様打合せにおいて当初旅費負担を予定していたが先方経費で賄われたことである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度の研究結果より微細泡と衝撃波に何らかの関係性が見受けられるため、これを解明するための実験に関する消耗品等に繰越金を充当する予定である。 その他は当初の研究計画どおりに執行する予定である。
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Research Products
(1 results)