2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26289081
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
大久保 仁 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90213660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕輪 昌幸 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10609316)
早川 直樹 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20228555)
加藤 克巳 新居浜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20293665)
依田 正之 愛知工業大学, 工学部, 教授 (80103240)
村瀬 洋 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90350941)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 直流高電圧 / 電気絶縁 / 電界解析 / 絶縁破壊 / 部分放電 / 雷現象 / 帯電現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)正負極性直流及びサージ印加時の帯電特性と雷放電特性: 空気中,直流電圧印加時の複合絶縁電極構成における,正・負極性帯電特性を精細に調査し,そのメカニズムを明らかにした.また,雷サージ電圧印加時の正・負極性帯電特性との相違点を明らかにし,印加電圧による帯電形成マカニズムを解明した.帯電特性の測定には振動容量型表面電位計を使用し,電極表面からの微小電荷現象と微小放電現象を区別する手法を考案し,電界解析結果との照合により,メカニズムを同定した.さらに自然雷現象の実測により,正負極性雷放電の進展特性と帯電絶縁破壊との関連付けを行った. (2)直流極性反転時における絶縁特性検討・解析: 電界解析と複合絶縁系放電開始実験を通して,直流極性反転時の電気絶縁性能を定量化した.極性反転時の実験的に得られた絶縁破壊特性から,交流・直流・そして雷サージ印加特性との比較検討を行い,極性反転前の直流電圧による逆極性表面帯電の影響を定量化することができた.解析による極性反転時の絶縁性能の検討では,材料の物性値と固体の配置構成による影響とを分離して理解し,最終的に機器試験電圧の提案を行った. (3)絶縁構成における帯電特性,部分放電,絶縁破壊特性の究明: 上記の研究結果に基づき,さらに空気中と真空中における特性を比較検討し,直流電気絶縁における帯電発生・形成,電荷現象の測定,部分放電の開始・進展,さらには沿面フラッシオーバに至る一連の現象の定量化とメカニズム解明を行った.これまで交流に対して確立してきた高感度部分放電測定技術,特に面電流センサの特性について詳細に検討した.これらを新たに直流部分放電測定に適用し,超高速超高感度直流部分放電測定システムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に必要な実験構成,測定系,並びに解析系の諸設備・ソフトウェアは順調に揃い,さらに今年度は雷サージ電圧印加実験が可能な 600 kV インパルス電圧発生装置を導入することができ,雷現象の現地測定も可能で,研究がほぼ順調に遂行することができた.また,空気中の現象だけでなく,真空中の同様の実験も行うことができたことが減少理解を大きく推進させた.さらに,特に直流極性反転装置の新たな考案により,複合絶縁電極系における帯電と高電圧極性反転実験が可能になったことは大きい.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて,今回のこれまでの研究で導入したすべての研究設備と測定系を駆使して,これまで行ってきた複合絶縁系の部分放電特性,帯電特性のより一層の詳細な実験と解析を行っていく. 特に,電気機器にとって最も過酷な条件と推定される高電圧直流極性反転時の絶縁性能については,内外でほとんど成果が得られていない状態なので,ここで新たなデータを取得し,現象究明に基づいて,実機器の試験電圧の議論の基となる提案をしていく.
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Causes of Carryover |
複数並列電極の製造を2種類行う予定であったが,当面の実験では1種類で賄えたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は複数並列電極を新たに条件を変化させて製作し,高電圧直流部分放電特性の発生から距離依存性の比較検討を行う.
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Research Products
(10 results)