2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26289085
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
安達 定雄 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (10202631)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 蛍光体 / 白色LED / 電子・電気材料 / 光物性 / フォトルミネッセンス / 励起スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度では、化学的手法をベースにした蛍光体の作製において、非希土類や希土類単独賦活だけでなく、これらの様々な共賦活蛍光体を作製した。具体的には、Mn4+賦活のZn系水和物蛍光体のZnGeF6・6H2O:Mn4+、Mn4+賦活Ba系非水和物蛍光体のBaGeF6:Mn4+やBaTiF6:Mn4+、アルカリハライド系蛍光体では、KCl:Ce3+、BaCl:Ce3+の単独賦活蛍光体や、KCl:Ce3+,Tb3+、NaCl:Ce3+,Tb3+、KCl:Ce3+,Sn2+、NaCl:Ce3+,Sn2などの共賦活蛍光体、酸化物蛍光体ではGa2O3:Eu3+, Ga2O3:Tb3+,SnO2:Eu3+などである。また、フッ化物蛍光体ではZnGeF6・6H2O:Mn4+、ZnSiF6・6H2O:Mn4+における光照射劣化現象を観測した。これは、発光強度が光照射により著しく減少する非可逆的な現象であり、その原因として光酸化や不均化反応の可能性を考えている。また、K2SiF6:Mn2+の黄色蛍光体に於いても同じような光照射劣化現象を観測した。劣化前後の電子スピン共鳴測定で、Mn4+やMn2+の信号強度が著しく減少することから、やはり光酸化などによる発光活性なMnイオンの濃度減少と考えている。K2SiF6:Mn4+蛍光体では、液中の高出力パルスレーザ照射によって、この蛍光体の微細化加工にも成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は勿論、周囲の教職員スタッフ連の研究に対する熱意、向学意欲に富む研究室学生のおかげである。特に研究代表者は、平日だけでなく祝日にも研究課題と向き合い、また土曜日及び日曜日も学術論文執筆の努力が実った結果と言える。さらに、大学院生だけでなく学部学生の行っている研究成果を積極的に国内外に発表することで、日本の大学の学術水準の高さをアピールできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様、研究が順調に進展しているので、特記すべき問題点などはなく、よって対応策も不要である。ただし、これも昨年度と同様であるが、大学の研究はどうしても真理の探求を意識しすぎて、「基礎」に重点がおかれやすい。「基礎」が重要なことは勿論、 企業に積極的に働きかけ、「応用(実用化)」を強く意識した研究も進める。そのための研究設備の充実にも努力する。当然ながら、このようなことの重要性を学生に強調しながら、彼らが将来世に出て役立つような人材になれるよう、トップレベルの研究を推進する。
|