2015 Fiscal Year Annual Research Report
MEMS技術を用いた300GHz帯FW-TWTの開発
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26289101
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根尾 陽一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (50312674)
長尾 昌善 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80357607)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 進行波管 / 300GHz / Folded Waveguide遅波回路 / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
FWG-TWTの設計:平成26年度は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いたFolded Waveguide遅波回路(FWG-SWC)を用いた300GHz帯FWG-TWT(進行波管)の概略設計を行った。平成27年度は、大信号動作シミュレーションによるFWG-TWTの設計手法を確立するとともに、目標仕様(周波数帯域280~300GHz、出力1Wクラス、利得20dB以上)を満足できる広帯域FWG-TWTの詳細設計を行った。平成26年度に設計したFolded Waveguide遅波回路の形状、FWGの横幅0.651mm、FWGの高さ0.097mm、ピッチ0.182mm、ビームホール半径0.123mm、ストレート部の半分の長さ0.137mm、1ピッチの管路長0.560mmを用い、大信号動作シミュレーションを行い、動作ビーム電圧12.6kV、ビーム電流8.3mAで、280-300GHz帯の20GHzの帯域に渡って、電子ビーム効率1%以上(出力1W以上)でほぼ20dBの利得が得られることを確認した。 FWG-TWTの試作:FWG-SWCに関し、LIGAプロセスによるFWG-SWC試作を引き続き行った。周期磁界装置(PPM)で使われるマグネットの設計を行った。また、Integral Pole Piece およびカソードの概略設計を行った。 研究分担者により、Volcano構造ダブルゲートスピント型微小電子源の製作が行われ、電子放出特性と集束特性の最適化がなされた。エミッタティップは引き出し電極から低く、また先端の角度は小さい方が、放出電流量の減少を抑えながら電子ビームをより集束できることがわかった。 光カソード:GaAs表面をセシウム処理した負性電子親和力GaAs光カソードの光パルス応答性を測定した。その結果、負性電子親和力GaAs光カソードの光パルス応答は数nsecより高速である可能性がわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Folded Waveguide遅波回路(FWG-SWC)を用いた300GHz帯TWT(Travelling Wave Tube)の設計は終了した。大信号動作シミュレーションを行った結果、設計はほぼ妥当であることがわかった。また、継続してLIGAプロセスによるFWG-SWC試作している。周期磁界装置(PPM)で使われるマグネットの設計、Integral Pole Piece、カソードの概略設計を行った。研究分担者により、Volcano構造ダブルゲートスピント型微小電子源の製作が行われ、電子放出特性と集束特性の最適化がなされた。また、GaAs表面をセシウム処理した負性電子親和力GaAs光カソードの光パルス応答性は数nsecより高速である可能性がわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
LIGAプロセスによるFWG-SWCの試作を続け、損失特性等を測定することにより、改良を行う。FWG-SWCを採用した300GHz帯TWTを試作し、実際に動作させる。FWG-TWTに利用できる、10mA以上の電流駆動能力を有するVolcano構造ダブルゲートスピント型微小電子源を開発し、FWG-TWTへの適応を検討する。電子源から直接バンチ電子ビームを発生できる新しい光カソードのマイクロ波管への有用性を実証する。
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