2014 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモンを用いた光・電子融合デバイス基盤技術の創製
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26289103
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
福田 光男 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50378262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 佑弥 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30633440)
石山 武 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40314653)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表面プラズモン / 近節場光 / 光・電子融合素子 / 光デバイス / 光回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究計画は、(ⅰ)金属配線による光信号(表面プラズモン)の伝播制御技術の開発と(ⅱ)集積回路内の電気的な素子間分離技術(表面プラズモンでは結合されている)の開発である。これら2項目について以下を実施した。 (ⅰ)金属配線による光信号(表面プラズモン)の伝播制御技術の開発 シリコン基板上へ、絶縁膜の挿入なしに、表面プラズモン(光)導波路としての金属配線を作製する技術を開発した。その際、伝播光を表面プラズモンへ変換し、(金属/シリコン界面ではなく)金属表面のみを伝播させるための回折格子を作り付けた構造とした。本導波路の回折格子部分へレーザ光を照射することにより表面プラズモンを発生させ、低損失で金属表面を伝播することを確認した。さらに導波路中に複数のスリットを導入し、それにより表面プラズモンを金属表面から金属/シリコン界面へ導入し、ショットキー型の表面プラズモン検出器と動作させて表面プラズモンを光電流へ変換できること及びスリットの幅やピッチの制御により、当該界面における表面プラズモンの進行方向を制御できることを明らかにした。これらの成果はJ. Appl. Phys.等で発表済みである。 (ⅱ)集積回路内の電気的な素子間分離技術(表面プラズモンでは結合されている)の開発 シリコン上に表面プラズモン導波路を作製し、それら導波路に数μm幅の分離溝を設けて電気的に導波路が絶縁された構造のデバイスを開発した。本デバイスを用いた種々の実験により、金属膜上の表面プラズモンの伝播特性は導波路に印加された電気的バイアスに影響されないことを求め、金属導波路が電気バイアスのための配線と共用できることを明らかにした。これらの成果はIEEE/OSA J. Lightwave Tech等で発表済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、平成26年度の研究計画は、(ⅰ)金属配線による光信号(表面プラズモン)の伝播制御技術の開発と(ⅱ)集積回路内の電気的な素子間分離技術の開発である。これら表面プラズモン導波路関連の設計、製作および評価技術を、実際にデバイスを製作しながら開発し、目標動作の確認および構造の最適化が完了している。さらに、デバイス評価の際には、電気信号と表面プラズモンの相互作用が無視できること等新たな知見を得ることができ、それぞれの開発項目で論文及び国際会議発表まで実施できている。これらを勘案し、上記達成度とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究目標は平成26年度に確立した導波路を2つ以上MOSFETのゲート電極へ接続した集積回路を作製し、当該MOSFETを2つの表面プラズモンのビート信号で動作させることである。そのため、平成27年度末までに、複数の表面プラズモン導波路+MOSFET集積回路を開発する。ここで、集積回路に組み込む導波路は、平成26年度に開発した電気的な分離構造や表面プラズモン検出器を組込んだ構造とする。これら複数の導波路に作り付けられた金属スリット部分に異なった波長の光(1300 nmまたは1550 nm帯)を照射し、導波路に沿って伝播した表面プラズモンがMOSFETのゲート部分で干渉し、それらのビート信号(差周波数)でMOSFETが動作することを確認する。これらの技術開発を通して、表面プラズモンの可干渉性により動作するMOSFET集積回路を開発する。 平成27年度以降は、それらの複数の導波路が接続されたMOSFETを複数接続し、表面プラズモン(光)の可干渉性により動作する表面プラズモン‐電子デバイス融合回路の開発を目指す。
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Research Products
(16 results)