2016 Fiscal Year Annual Research Report
人工ジャイロ磁気・誘電特性の創出とその電磁波素子への応用
Project/Area Number |
26289106
|
Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
小寺 敏郎 明星大学, 理工学部, 准教授 (90340603)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 人工電磁材料 / ジャイロ磁気特性 / ジャイロ誘電特性 / メタマテリアル / 環境適応制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はマイクロ波非可逆素子に不可欠なジャイロ磁気特性を示す希土類鉄酸化物の代替手段の研究開発を更に推し進め、マイクロ波領域でその特性を示す固体材料が存在しないジャイロ誘電特性の人工的創出を行った上で、これらを複合させた誘電率と透磁率が共に可制御な人工電磁材料を創出することが目的であり、28年度は創出した技術の有効性を更に高める構造の大幅な小型化を検討し、これを実現した。従来の単純なリング共振器に対して28年度に生み出した構造は8の字共振構造であり、構造の小型化に加え、能動素子数を半減することもできた。人工電磁材料の性能指標となる非線型性と雑音特性は能動素子数に比例して悪化するため、ここで創出した技術は実用化と更なる技術発展に極めて有効な成果といえる。すでに昨年度中に雑音指数の評価、特に共振周波数近傍においてどのように変化するかの検証を終えており、今年度逐次成果発表を行う段階に至っている。 人工電磁材料の特性を周囲の環境により適応的に変化させるための基礎技術として1x2 mmサイズの小型マイクロコントローラーの制御プログラムもアセンブリ言語で記述する基礎的な部分は完成させており、引き続きこれを人工電磁境界へと応用を進める。 研究成果は国内学会発表2件(電子情報通信学会・電気学会)と国際会議発表2件(IEEE APRASC2017, IEEE ICCEM2017)、更に査読付き学術論文誌2件(IEICE, JESIT)に発表することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度は従来技術で問題となっていた非線形性と雑音特性を能動素子数削減により大幅に改善することができる8の字共振特性の開発、周囲の環境により電磁特性を適応的に変化させるための基礎技術としてマイクロコントローラーのプログラム開発など、基礎的な部分で研究に大幅は進展が見られた。また研究成果発表として国内学会発表2件(電子情報通信学会・電気学会)と国際会議発表2件、更に査読付き学術論文誌2件(IEICE, JESIT)に発表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であり、研究の総括を行いながら昨年度に開発を完了した基礎技術を更に進めて具体的なデバイス応用を考えてゆく。具体的には人工電磁境界(メタサーフェス)と呼ばれるもので、2017年内には理論的検証・実験を終える予定である。現時点で採択されている国際会議(招待講演)発表論文が3件(META17, ISAP2017, URSI2017)あり、更に積極的に成果発表を進めてゆく。
|
Research Products
(7 results)