2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26289116
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 隆太郎 東京工業大学, 工学院, 准教授 (10334517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 学 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80415728)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コセット符号化 / セキュアネットワーク符号化 / 量子秘密分散 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、線形符号の組を用いた情報セキュリティの研究としてセキュアネットワーク符号化への応用と量子ならびに秘密分散への応用に取り組んだ。セキュアネットワーク符号化への応用として、デンマークのオルボー大学博士課程学生のウンベルトマルチネス氏とともに、従来の2倍の誤り訂正能力を持つネットワーク誤り訂正符号にたいして、メッセージの秘匿性を与えるための方法を提案した。その提案手法の安全性を保証するためのあらたなる数学的道具としてrelative generalized matrix weightを開発した。これらの成果を国際会議(アラートンカンファレンス)で発表するとともに、IEEE Transactions on Information Theoryに投稿した。量子秘密分散法への応用として、この科研費で行った研究として、線形符号の組を用いた量子秘密分散法とおなじ符号の組を用いた古典秘密分散法のアクセス構造の対応関係があるが、それを用いて指定したアクセス構造を持ち、なおかつシェアの大きさをなるべく小さくする量子秘密分散法の構成方法を提案した。関連する研究として岩本らが同じ問題を整数計画法を用いて古典秘密分散法について解く研究があるが、この研究成果は岩本らの研究を量子秘密分散法に適用するためにどのような変更を加えればよいか明らかにしたものである。古典秘密分散法への応用として、デンマークのオラブゲイル教授らとともに、参加者の数が非常に多いときの古典秘密分散法を代数曲線符号を用いて構成する方法を提案し、学術雑誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に計画した通りの成果をおおよそ得られたので。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の申請書で得られた成果を得られたので、それを国際会議で発表するとともに雑誌論文に投稿する。
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Causes of Carryover |
前のページで述べたようにデンマークオルボー大学数学科のゲイル教授のグループと共同研究を行う計画を立てていて、実際に共同研究を行い研究成果の発表も行ったが、研究成果を得るときに予定していた研究打ち合わせを、お互いの都合がどうしても合わずにメールとスカイプを用いて行わざるをえなかった。その結果として海外研究者との打ち合わせのために計上していた旅費が余った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際共同研究で得られた成果を国際会議に参加して発表するとともに、現在投稿中の論文が掲載されたときにオープンアクセスにするための費用として用いる。
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Research Products
(4 results)