2014 Fiscal Year Annual Research Report
スーパダンピング数値積分法を用いる擬似過渡解析法に関する研究
Project/Area Number |
26289121
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井上 靖秋 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10330721)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 回路シミュレーション / 擬似過渡解析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
回路シミュレーションの非収束の問題は重要かつ困難な問題であり,未だ実用的解決に至ってない.全世界で広く実用されている業界標準回路シミュレータもしばしば非収束の現象を起こす.本研究はこの非収束問題に対処する実用的なアルゴリズムの研究・開発に関するもので,実用的な擬似過渡解析法の重大欠点を克服する新たな擬似過渡解析法を数値積分手法の観点から研究・開発し,回路シミュレータSPICE3に実装してその有効性を明らかにすることを目的としている. 初年度の研究成果は次のとおりである. (1)新数値積分手法「スーパダンピング数値積分法」の理論的研究:後退オイラー法をはるかに超えるダンピング効果を持つ新数値積分手法「スーパダンピング数値積分法」を開発して,その基本的性質を数値解析技法の観点から理論的に検討した.数値積分手法としての基本的性質,ダンピング効果(発振抑制効果),数値的安定領域,収束性などを明らかにした. (2)新数値積分手法の擬似過渡解析への適用研究:新数値積分手法を擬似過渡解析法へ適用するための研究を行い,従来数値積分手法と新積分手法のアルゴリズムを効果的に切り替えて回路を定常状態に追い込む手法を開発した. (3)新数値積分手法を適用した擬似かと解析法の数値実験と有効性の検証:これまで発振問題で非収束となった実用回路でテストして,その有効性の検証を行い,業界標準回路シミュレータや従来手法で非収束となる回路が新手法で収束することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画をほぼ達成している.新数値積分手法を開発,それを擬似過渡解析法に適用するためのアルゴリズム切り替え手法を開発,実用回路で有効性を検証.雑誌論文1件,学会発表3件(査読付き2件,招待講演1件).
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Strategy for Future Research Activity |
新数値積分手法を用いる擬似過渡解析法の計算効率向上に関する研究,数値積分開始手法,初期値設定手法と時間ステップ幅制御手法を研究開発し,その有効性を検証する.
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Research Products
(4 results)