2015 Fiscal Year Annual Research Report
生体内環境における磁性ナノ粒子の発熱機構を解明する評価分析法の確立
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26289124
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
竹村 泰司 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30251763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 努 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (70251767)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 計測工学 / 磁性 / ナノ材料 / 磁性ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん温熱治療は傷跡や副作用などの患者負担が少ない治療法である。腫瘍に集約可能な低濃度の磁性ナノ粒子で十分な発熱を得ることが課題である。細胞内に分散若しくは局在する磁性ナノ粒子の発熱特性とその磁界強度・周波数依存を評価するための測定手法を確立し、低強度・低周波数磁界で高い発熱を示す最適な粒径、修飾種を明らかにすることを研究目的としている。平成27年度に実施した研究及び得られた成果を以下に示す。 (1)細胞内磁性ナノ粒子の発熱起源の同定 細胞内の磁性ナノ粒子は、物理的に束縛されるためにブラウン緩和は生じないと報告されているが、本研究では細胞に取り込ませた磁性ナノ粒子の、がん温熱治療で印加する高周波磁界下での磁気特性を測定することに成功した。細胞中の磁性ナノ粒子から生じる発熱量を初めて定量的に示した。 (2)細胞内磁性ナノ粒子の分散・局在状態の評価 磁性ナノ粒子を添加した培養細胞の位相差・蛍光顕微鏡観察、及び本研究のオリジナルである交流磁化特性の測定を行った。交流磁化特性から、一様に分散する磁性ナノ粒子の特性と細胞内に局在する場合の特性の差異を明確に示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い、磁性ナノ粒子の交流磁気特性を評価し、細胞中に局在する磁性ナノ粒子の発熱量や局在状態を検証することに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、生体内環境での発熱機能の解明、及び高発熱磁性ナノ粒子の設計指針を提示する。 磁性ナノ粒子の細胞内存在形態と細胞内の発熱特性を評価し、その発熱機構を定量的に解明する。また、本研究の総括として、細胞内分散・局在や発熱特性に対する磁性ナノ粒子の粒径・表面修飾種の依存を評価し、高発熱を実現する磁性ナノ粒子の設計指針や励磁条件を提示する。
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Causes of Carryover |
実験進捗の都合により、測定試料の準備を一部、平成28年度に繰り下げたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
関連消耗品を購入し、測定試料の準備を行う。
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Research Products
(13 results)