2014 Fiscal Year Annual Research Report
補修後のRC部材に生じる再劣化の機構解明と維持管理体系への応用
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26289137
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮里 心一 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (60302949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 良輔 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (10371783)
田中 泰司 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (40377221)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鉄筋コンクリート / プレストレストコンクリート / 断面修復 / 表面含浸材 / 再劣化 / 物質透過 / 鉄筋腐食 / 力学性能 |
Outline of Annual Research Achievements |
実環境における補修後の構造物では、昼夜の気温変化に伴う寒暖差、晴雨の湿度変化に伴う乾湿差、および日射に伴う紫外線の影響を受けながら、塩分飛来等による塩害が進行する。この環境を模擬し、実時間で20年間相当の湿度変化および紫外線照射を与える供試体の暴露を開始した。平成26年度には、実時間で2~5年間相当の劣化促進を行い、その後に遮水性や遮塩性を測定した。その結果、現時点では表面含浸材の性能低下は認められなかった。 また、補修後に再劣化したプレストレストコンクリート(以下PC)構造物の構造性能を評価可能な解析ツールの開発を行った。まず、腐食PCはりの破壊挙動評価に対するFEMの適用性を確認するため、既往のPCはり曲げ破壊試験による検証解析を実施した。実験は、7本よりPC鋼線を用いたポストテンションPCはりを電食させ、曲げ載荷したものである。その結果、全素線の平均断面の分布を用いると最大荷重を過大評価するため、素線ごとの断面分布、特に破断位置の再現が必要であることなどが明らかになった。 さらに、1年間塩水噴霧と乾湿繰返しにより塩分を浸透させた後に、屋外にて約3年間暴露を行い、塩害腐食劣化させたプレテンションPC桁を対象に、断面修復工法による補修を行った。ひずみ計測により補修時の応力解放状況を確認するとともに、載荷試験により補修自体による構造性能の低下を確認した上で、次年度以降に行う再劣化メカニズムの検討に向けて、これら補修試験体の暴露を開始した。また、塩分練混ぜによる塩害促進試験体も別途作製し、半年間の暴露により腐食ひび割れが発生するまで劣化を生じさせた。次年度は、腐食劣化した試験体に断面修復工法を適用し、応力解放を最小限に留めるための施工技術の開発や各種の計測、解析的な評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、3年間の促進劣化で、補修後の耐久性を明らかにする。特に、実換算期間としては補修から数十年間の経時変化を評価する。したがって、研究期間の初年度に、長期間の暴露に供する試験体も作製し、暴露を開始できたことが重要であるから。 また、研究代表者と研究分担者は、年度初めに長岡技術科学大学で参集し、科研費の研究計画を立案した。その後は、土木学会コンクリート委員会内に設置された342委員会の場を活用し、定期的(3ヶ月程度毎)に顔を合わせた打合せを行ったから。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の自己点検のとおり、研究は順調に進展しており、申請書に記載の通りに今後も推進する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に1568円の端数が残ったが、科研費に関連する実験消耗品を購入するには不足しており、不正使用せずに繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
セメントを購入する。
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Research Products
(2 results)