2015 Fiscal Year Annual Research Report
速度依存・変位依存の摩擦構成モデルに基づく地中埋設管の地震時歪評価法の開発
Project/Area Number |
26289144
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 教授 (70187293)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 愛子 京都大学, その他の研究科, 准教授 (00380585)
高橋 良和 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10283623)
鍬田 泰子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50379335)
後藤 浩之 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70452323)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 地中埋設管 / 摩擦則 / 光弾性実験 / 個別要素法 / ライフライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,砂地盤に埋設された管路が地震時に受ける摩擦抵抗力を評価するため,砂地盤と埋設管との間に働く引き抜き抵抗力について研究するものである.特に,摩擦が引き抜き速度に依存することがこれまでの研究で観察されてはいたが,そのメカニズムを明らかにする研究はなかったことから,この速度依存メカニズムを実験的に検討する.平成26年度は,砂地盤を模したアクリル円柱の粒状体を,速度を変化させながら引き抜くことのできる実験装置を開発した.また,実際の砂地盤を対象とした引き抜き試験も併せて実施した.いずれの試験においても,引き抜き抵抗力が速度に依存する現象を再現することができ,メカニズムの分析を行える土台が揃った.平成27年度は,上記の試験装置を数値シミュレーションで再現することができるように,個別要素法(DEM)コードを開発し,試験装置を用いた要素試験のデータを設定して数値実験を行った.数値実験においても引き抜き抵抗力の速度依存性が認められたため,より詳細なメカニズムの議論が可能となった.また,速度依存性を説明する簡易なモデルを提案し,メカニズムに関する定性的な説明を与えた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,実験装置の開発,数値解析コードの開発を進めている.概ね順調に進められている.
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに構築した実験装置,および数値解析コードを利用して,引き抜き抵抗力の速度依存メカニズムの解明を目指す.特に,実験装置と数値解析コードの結果が一致するように調整することで,光弾性実験と個別要素法の両面からそのメカニズムに迫る.また同時に,砂地盤における引き抜き抵抗力について検討し,昨年度構築したモデルと併せて実用的なモデル化が可能か検討を進める.
|
Causes of Carryover |
平成27年度の試験は,平成26年度に用意した試験体を主に利用して実施したため,新たな供試体の費用を次年度に繰り越した.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は,平成27年度に予定していた新たな供試体を用いて実験を行う予定である.
|