2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26289159
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅沼 順 筑波大学, 生命環境系, 教授 (40293261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 大 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50250668)
萬 和明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90554212)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 陸面モデル / 大気陸面相互作用 / 地表面熱収支 / 地表面水収支 / データ同化 / モンゴル草原 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.観測システムの更新 モンゴル草原のKBUサイトの観測システムを更新し,安定した自動観測によるデータ取得が可能になった.また,アルゴス衛星システムを用いたデータ転送の機能を付加し,観測データを観測から1週間以内に日本へ転送することが可能になった.これによって,観測システムの状態が常に監視できる他,将来の遠隔地の観測データを用いたリアルタイムの同化実験への可能性が開かれることとなった. 2.データ同化に必要なデータのアーカイブ モンゴルの半乾燥草原で実施されている水文気象観測値のうち,マンダルゴビ地点での観測値を整理し,陸面過程モデルへの入力や,データ同化の観測値,あるいはデータ同化実験の検証値として使用できるアーカイブを作成した. 3.データ同化用の陸面モデルの準備 陸面過程モデルSiBUCにデータ同化手法のひとつである粒子フィルターを組み込み,データ同化実験の準備を整えた.構築したデータ同化システムを用いて,飽和度とマトリックポテンシャルを関係づけるパラメータについて異なる値を持つ多数の実現値で表現し,土壌水分量の確率分布を推定・更新するデータ同化実験を行った.土壌水分量を観測情報として使用した実験の結果,土壌水分量の推定精度が向上することが確認できた.また,衛星による広域土壌水分データの代用とする表層土壌の熱慣性分布を求めるため に、これに用いる地表面熱収支モデルを改良した。改良点は夜間における大気安定度による影響を考慮した陸面交換係数の設定である。これによって、熱慣性値と表層土壌水分実測値の相関を改善できた。改良したモデルによって2012年夏季の熱慣性分布を算出し、MAVEXによる土壌水 分実測値と比較したところ、概ね良好な相関を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観測システムの更新をH26および27年度に行い,これによって遠隔地からの準リアルタイムのデータ転送を可能にする予定であったが,1年目のH26年度に,予定よりも前倒しでアルゴスデータを用いたデータ転送が可能になった.H26年度に予定していたデータ同化実験に使用するデータのアーカイブは,予定通りH26年度に終了した.データ同化用の陸面モデルの準備については,粒子フィルターを用いたデータ同化モデルと,熱慣性を用いた熱収支モデルが構築された.以上により,達成度は約90%程度であり,概ね順調に進呈していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
アンサンブルカルマンフィルターの開発が遅れており,重点的に推進する.それ以外は計画通り,同化実験を行い,データ同化の効果の検証を行う.
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Causes of Carryover |
モンゴルの半乾燥草原における広域観測プロットでのデータを用いて,オフラインの陸面モデルの土壌水分同化実験を行うために,平成26年度では陸面過程モデルをデータ同化用に書き換え,同化実験の準備をする計画であった.データ同化手法を利用するためには,並列計算機が必要不可欠であるため,その購入を見込んでいた.データ同化用の陸面過程モデルのひとつとして,データ同化手法のひとつである粒子フィルターを陸面過程モデルSiBUCに適用した.この際,対象領域の拡張は技術的に容易であることが判明したことから,広域を対象とするのではなく,単一地点を対象とした陸面データ同化手法の構築を行った.そのため,当初の想定よりも今年度に限り計算機負荷が小さくなったことから,既存の計算機設備を用いることにした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度では,粒子フィルターと陸面過程モデルSiBUCによる陸面データ同化手法を構築した.平成27年度には,構築した手法を広域および複数の事例に適用する.具体的には,モンゴルの半乾燥草原で広域に実施されている水文気象観測値を用いて,フォーシングとデータ同化の観測値に様々な組み合わせを検討し,土壌水分や蒸発散の最適推定値を得るためのデータ同化手法について考察する.広域に適用するため,陸面データ同化手法の計算負荷が増大すること,また,多数の数値実験を行うために数値計算の絶対量が増加することがが明白である.そこで,平成26年度に購入予定であった並列計算機を平成27年度に購入し,陸面データ同化手法の多数に及ぶ数値実験を実施する.
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Spatial and seasonal variations of CO2 flux and photosynthetic and respiratory parameters of larch forests in East Asia2015
Author(s)
Kentaro Takagi, Ryuichi Hirata, Reiko Ide, Masahito Ueyama, Kazuhito Ichii, Nobuko Saigusa, Takashi Hirano, Jun Asanuma, Sheng-Gong Li, Takashi Machimura, Yuichiro Nakai, Takeshi Ohta, Yoshiyuki Takahashi
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Journal Title
Soil science and plant nutrition
Volume: 61
Pages: 61-75
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Satellite-Based Analysis of Evapotranspiration and Water Balance in the Grassland Ecosystems of Dryland East Asia2014
Author(s)
Xia J, Liang S, Chen J, Yuan W, Liu S, Li L, Cai W, Zhang L, Fu Y, Zhao T, Asanuma, J., and others
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Journal Title
PloS one
Volume: 9
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] A summary of Asian Dryland Model Intercomparison Project (ADMIP)2014
Author(s)
Asanuma, J., Ojima, D., Yorozu, K., Chen, Y., Hosaka, M., Ichii, K., JAMSTEC; Ito, A., Hong, J., Kondo, M., Li, Q., Mabuchi, K., Miyazaki, S., Parton, W., Sato, H., Tachiiri, K., Zhang, X., Xue, Y., Yang, K., Yang, Z-L., Ailikun
Organizer
7th International Scientific Conference on the Global Water and Energy Cycle
Place of Presentation
World Forum, The Hague, The Netherlands
Year and Date
2014-07-14 – 2014-07-17
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[Presentation] A summary of Asian Dryland Model Intercomparison Project (ADMIP)2014
Author(s)
Asanuma, J., Ojima, D., Yorozu, K., Chen, Y., Hosaka, M., Ichii, K., JAMSTEC; Ito, A., Hong, J., Kondo, M., Li, Q., Mabuchi, K., Miyazaki, S., Parton, W., Sato, H., Tachiiri, K., Zhang, X., Xue, Y., Yang, K., Yang, Z-L., Ailikun
Organizer
MAIRS Open Science Conference
Place of Presentation
Friendship Hotel, Beijing, China.
Year and Date
2014-04-07 – 2014-04-10