2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳MRIに基づく高齢ドライバーの危険運転予測法の開発
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26289177
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 豊 高知大学, 医歯学系, 准教授 (00376956)
門田 宏 高知工科大学, 総合研究所, 准教授 (00415366)
熊谷 靖彦 高知工科大学, 地域連携機構, 教授 (10368855)
繁桝 博昭 高知工科大学, 工学部, 准教授 (90447855)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MR imaging (MRI) / VBM-ROI解析 / 白質病変 / 脳萎縮 / 安全運転 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
5,300名の被験者を対象に、VBM-ROI解析を行い、大脳皮質や深部神経核の左右63カ所に及ぶ脳部位毎の脳容積比(脳部位容積/頭蓋内容積)を求め、最短距離法によるクラスター分析を行った。この分析では、13クラスターが分類できた。さらに、過去10年間の交通事故タイプ別事故歴に対して、直接面談方式による聞き取り調査をして、事故タイプ別にクラスター分析パターンが異なるかを調べた。道路状況や走行状況が異なる事故タイプでは、例えば、交差点付近の衝突事故、非交差点での車線変更時の衝突事故、1車線上の追突事故などでは、特徴的なクラスターでのパターン変化を認めた。また、白質病変ドライバーの運転行動における特徴量を求めるために、自動車教習所の走行-コースで65歳以上の高齢ドライバー48名を対象にして実車実験を行った。指導教官を同乗させ、左右確認確認動作や一旦停止などの遵法運転行動を点数評価した。同時に、ワーキングメモリなど認知機能や知覚ハザードを定量評価した。認知機能が低下し、白質病変が高度に広がったケースでは、危険運転や知覚ハザードが増える傾向を認めた。 白質病変や脳萎縮を認めるドライバーに対して、赤・青・黄の交通信号による視覚タスク時の脳活動において、脳構造変化に依存した特徴量が存在するのかをfMRIで調査したするためのタスク装置を作成した。タスク装置は、アクセル・ブレーキ操作を模擬して、MRI操作台上の横臥位で左右の足でのペダルの踏み込みや外し動作によって、スイッチのオンオフができるようにした。ペダルの踏み込みや外し動作と同期して、fMRI信号が得られるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳構造データと運転行動との関連性解析は順調に進んでいるが、脳機能データの解析はやや遅れている。当初は、下肢運動によるfMRIタスク装置の作成とデータ収集を行う予定であったが、タスク装置の完成に手間取り、fMRIのデータ収集は行えておらず、研究の達成度はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
構造データ解析では、計測に影響する脳構造物(髄膜腫などの良性腫瘍や嚢胞などの脳奇形等)を除外するquality controlをおこない、データの整合性を評価する。さらに1mmのthin sliceの細動でより精緻なデータ収集を行う。このデータからクラスタ分析を行い、さらに事故予測の判別関数を構造データのみから求める。白質病変や脳萎縮ドライバーの被験者を総計100名にして、実車運転データを収集する。fMRIでは、被験者からアクセル・ブレーキタスク装置を用いて、信号視覚刺激での脳活動量の特徴性を調べる。
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Causes of Carryover |
MRIデータのクオリティーコントロールに時間を要し、データ分析にとりかかることができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ分析による成果を学会発表するための旅費と論文作成費に充てる。
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