2014 Fiscal Year Annual Research Report
海外コンバージョン建築の開拓調査及び地域性と汎用性両面からのデザイン分析
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26289223
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小林 克弘 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80186733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角野 渉 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (30708128)
木下 央 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (70332939)
三田村 哲哉 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (70381457)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 建築意匠 / コンバージョン / 用途変更 / デザイン手法 / 海外調査 / カナダ / 東欧 / トルコ |
Outline of Annual Research Achievements |
建築コンバージョンは、建築ストック活用や歴史的建築の再生の観点のみならず、建築の機能と表現に関する根本的な再考を促す重要な今日的現象である。申請者は、継続的にコンバージョン建築海外事例調査を行い、調査対象を、西欧・アメリカから中国やシンガポール等のアジアの諸都市に広げ、その実態とデザイン手法を明らかにした。申請者は本研究課題に関して国内外で最良の研究拠点のひとつを形成しつつあるが、①建築コンバージョンの更なる多様性と可能性を見出すべく、未調査地域における事例の開拓調査を行う、②建築コンバージョンは、都市の歴史、法制度、文化財に対する取り組みなどの地域的特性を背景とするため、各地の地域性の理解を深めつつ、日本への応用可能性の考察を行う、という2点を目的として研究深化を目指す。 本研究は4 ヵ年計画であり、周到な事前調査の下に選定された未調査地域のコンバージョン建築実態調査を行う。各年度とも、1)文献資料や各国建築雑誌を通して、徹底した事例の発見・発掘、2)現地調査事例の選定と調査計画の策定、3)現地調査、4)研究成果の取りまとめ、という手順を踏む。 平成26年度には、継続研究してきた中国と台湾におけるコンバージョン事例調査成果を日本建築学会大会にて7編の論文発表にまとめた。また、年度当初計画通り7~8月には北米地域のコンバージョン事例の現地調査を実施した。更に当初計画の9月後半の東欧2カ国(ハンガリー、チェコ)の現地調査に際しては、文献収集作業が予定以上にはかどったため、2カ国に加え、ポーランド、ルーマニア、オーストリアの現地調査も行うことができる段階に達し、それらの調査も行った。加えて、2~3月には後年度に予定していたトルコのコンバージョン事例調査を行い、研究の進行を早めた。調査後、速やかに調査研究成果を取りまとめ、日本建築学会において13編の研究発表を行う準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、7,8月に北米地域のコンバージョン事例の現地調査を実施し、充実した研究成果を得ることができた。また、年度当初計画では、9月後半に東欧2カ国(ハンガリー、チェコ)の現地調査を行う予定であったが、東欧諸国のコンバージョン事例の文献収集作業が予定以上にはかどったため、2カ国に加え、ポーランド、ルーマニア、オーストリアの現地調査も行うことができる段階に達した。それ故、9月後半~10月には、年度当初計画の東欧2カ国(ハンガリー、チェコ)に加えて、ポーランド、ルーマニア、オーストリアの現地調査も行った。併せて、後年に調査予定候補に想定していたトルコに関しても事例収集作業が終了し、現地調査が可能な段階に達した。それ故、2~3月には、トルコのコンバージョン事例調査を行うことができた。各国の建築コンバージョンの状況を初年度に早々に把握することで、研究の進行を大いに早めることができた。更に、調査後、速やかに調査研究成果を取りまとめ、日本建築学会において、13編の研究発表を行う準備を進めることができた。 上記のように、①現地調査対象を当初計画よりも広げ、その現地調査を実施することができた点、②現地調査に基づき、速やかに研究発表の準備を進められた点、の2点を理由に、当初計画以上に研究が進んでいると自己評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の初年度に、当初計画以上に研究を進めることができたので、今後も着実に研究を進め、最終的には当初計画に含まれていなかった調査対象国に関しても現地調査を行って、充実した研究成果をあげるように努力したい。 一方、現地調査に際しては、常に調査対象地の治安に配慮して、安全な海外調査を行うように配慮したい。調査対象地の治安状況によっては、調査対象地あるいは調査時期を変更する等の対処を行わねばならないような事態も生じる可能性もあるが、柔軟に対処できるように研究計画を作成するように心がけたい。
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Causes of Carryover |
トルコ等での海外調査を2月末から3月半ばに行ったため、最終的な海外旅費の決定が3月末にならざるをえなかった。海外旅費に不足が生じないように、ある程度、余裕を持った予算を見込んでいたが、結果的には、その余裕分が次年度に繰り越されることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この繰り越し分は、来年度の調査研究の内、最も大きな割合を占める海外旅費に充当することとする計画である。
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Research Products
(7 results)