2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26289245
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
任 暁兵 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (50292529)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 誘電体物性 / 非鉛圧電 / 圧電材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度では、三重点MPBをもつ新規非鉛圧電材料を発見したと共に、MPBの微視的結晶構造及びドメイン構造を解明し、圧電特性との関係を明らかにした。具体的に以下の成果が得られた。 1.透過電子顕微鏡および収束電子回折(CBED)を用いて、BZT-BCT圧電材料のドメイン構造を観察し、高圧電材料は高密度のドメインを持つことが分かった。この発見により、BZT-BCTの高い圧電特性はドメインからの寄与が大きいと結論づけた。 2.透過型電顕を用いて、MPB付近の組成の階層状ドメインはR相とT相という二つの相のナノスケールの混合物であることが分かった。これにより、MPBの本質及び圧電効果との関係が明らかになった。 3.ラマン分光及びXRDを用いて、BZT-BCTの相転移を研究し、MPB付近ではO相の存在を見出した。これによって、BZT-BCTの状態図を修正し、この系の材料の高い圧電特性は4重点の存在によるものと判明した。 4.上記の成果により、高性能非鉛圧電材料の設計指針を作る方向性がはっきりした
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究実績と照らし合わせて、今年度の計画であった 「圧電特性と三重点MPB及び温度の関係を明らかにし、三重点MPB理論を構築、さらにこの三重点MBP理論で予想される、圧電効果と組成・MPB・温度などの関係を、BZC-BCTなどの材料を用い圧電・誘電・電顕実験の結果で検証し、この理論から高電圧特性をもち、なおかつキュリー温度が高い高性能非鉛圧電材料系を予測する」 は、概ね達成したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度では、昨年度明らかにしたMPBの微視的結晶構造及びドメイン構造と圧電特性との関係性を通して、非鉛圧電材料における巨大圧電効果の起源を解明し、非鉛圧電材料の創出指針を確立する。さらにこの指針を高キュリー温度を持つ材料系に応用し、高電圧特性を持ち、なおかつ、高キュリー温度を有する高性能非鉛圧電材料の設計指針を確立する。
さらに、H28年度では、H27年度に設計した新規高性能非鉛圧電材料の特性解明と新規材料のPZT代替効果を検証していく。
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Causes of Carryover |
予想していたより学会参加の回数が少なくなり、「旅費」とそれに伴う「その他」の支出が少なくなった。人件費については、研修生の積極的な参加により実験が順調に進んだので予想より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度繰越金¥1,717,397の使用計画 物品費¥417,397 旅費¥800,000 その他(学会参加費、機器修理など)¥500,000
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Research Products
(10 results)