2015 Fiscal Year Annual Research Report
双晶~転位間相互作用の体系化に基づく高加工性マグネシウム合金の創出
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26289257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬渕 守 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (00358061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕美 豊橋技術科学大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00319500)
千野 靖正 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50357498)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マグネシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
マグネシウムに微量元素を添加することにより強度や延性等の機械的特性が変わるが、この機構を分子動力学計算により考察した。具体的には、らせん部分転位とマグネシウムの{10-12}双晶ならびに{10-11}双晶とおよぼす相互作用を調べたるために、2種の双晶界面のいずれかを含む純マグネシウムおよび添加元素(スカンジウム・イットリウム・ネオジウム)を偏析させたマグネシウム合金の原子モデルを構築し、せん断させた。その結果、転位は全ての原子モデルにおいて{10-12}双晶界面を貫通した。貫通に必要なせん断ひずみは、添加元素を含んだモデルのほうが純マグネシウムのモデルよりも大きく、イットリウムを添加した試料で最大となった。このことは、マグネシウムにイットリウムを微量添加させた合金の圧縮試験において、加工硬化率が純マグネシウムより大きくなること、また圧縮試験後の組織観察結果とも符合している。また、{10-11}双晶について同様の分子動力学計算を行った結果、スカンジウムの偏析元素原子が双晶界面からの転位放出を促す一方で、イットリウムおよびネオジムは転位を双晶界面に固定・吸収すること、また、これらを総合すると、転位と{10-11}双晶界面の相互作用は5種類に区別されるということがわかった。以上の計算および実験より、マグネシウム合金の双晶界面への添加元素偏析が、機械的な特性に決定的な影響を与えることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子動力学計算により、双晶と転位の相互作用を明らかにすることができ、また実験事実とも一致させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
分子動力学計算により転位と双晶界面の相互作用を適切に記述できる可能性が見出されたため、分子動力学計算に注力する。
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Research Products
(4 results)