2014 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界CO2を用いた高アスペクト比回折格子への異種材料埋め込み基盤技術の確立
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26289294
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北條 大介 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (30511919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢代 航 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (10401233)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 気・液・固・超臨界流体反応操作 / ナノ粒子超格子 / 中性子位相イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
①「メッキ技術に代わる超臨界CO2プロセスを用いた金属材料充填法の確立」 超臨界CO2を用いてGdを高アスペクト比トレンチ構造に埋め込むためには、超臨界CO2に溶解するGdプリカーサーの探索および温度や圧力などの溶解条件の最適化が重要となる。GdプリカーサーをGdに還元する際、耐圧容器内に基板を局所的に加熱することで流体内での均一な反応よりも基板上での反応が特異的に進むように設計する。また、流体内の均一反応が優勢な場合、流体内の均一反応を抑えるために耐圧容器自体を恒温槽に入れて熱を逃がす必要がある。逆に、Gd錯体が安定である場合、水素を添加することも検討する。 26年度では、この条件探索のための装置を設計し組み立ておよび耐圧試験まで行うことができた。今後、27年度以降、装置を用いて条件探索を行っていく。高アスペクト比吸収型中性子回折格子を作製するためのGdのプリカーサーは、Gd(acac)3、Gd(hfac)3の他にGdF3を検討に加えた。Gd(acac)3は②の課題のナノ粒子合成においても用いているが、錯体が安定であることが分かり、より反応性の高いプリカーサーが必要であると考えている。高アスペクト比トレンチ構造を形成するための微細加工は引き続き野田(産総研、研究協力者)が矢代(研究分担者)と共同で行う。 ②「超臨界CO2分散ナノ粒子の合成」 超臨界CO2に分散するGd2O3ナノ粒子の合成を行う。26年度に行った実験結果から超臨界水場においてGd(OH)3ナノ粒子が合成されることが分かった。また、ナノ粒子表面でのオレイン酸の修飾量が低く、粒径が大きいため、シクロヘキサンへの分散性が悪いことが分かった。今後、オレイン酸中でのソルボサーマル条件で粒子を合成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超臨界CO2に分散させるためのオレイン酸修飾Gd2O3ナノ粒子の合成に成功していないため。超臨界水熱反応を用いるとGd2O3の代わりにGd(OH)3が合成された。脱水させることが難しいことが分かった。また、粒子表面のオレイン酸修飾量が少なく、また粒径が100ナノメートル以上と大きいことが分かった。これらは次のステップである超臨界CO2への分散させるうえで問題だと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、組み立てた装置を用いて①の研究課題を引き続き行っていく。また②の研究課題については、オレイン酸中でのソルボサーマル条件で粒子を合成する。これによって、Gd(OH)3の脱水問題は解決できると考えている。また、プリカーサーについてもGd(acac)3の代わりにより反応性の高いGd(IPr)3を用いる。
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Causes of Carryover |
学術研究助成基金助成金は3年計画で使用する予定のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度、翌々年度の研究費と合わせて、物品、旅費等に用いる予定である。
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