2014 Fiscal Year Annual Research Report
ガス要求量の大きい気液反応のためのマイクロ反応システム設計論
Project/Area Number |
26289297
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
外輪 健一郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00336009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 光浩 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00281866)
堀河 俊英 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90380112)
アルカンタラ アビラ・ラファエル 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (50709219)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マイクロリアクタ / スラグ流 / 気液反応 / ガス吸収 / 計算流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
液に比べてガスは密度が低いため、気液反応において必要となるガスの容積は液に比べて大きくなりがちである。本研究では、気液接触を強化できるマイクロリアクタをガス要求量が大きい気液反応に対して適用するための技術の開発を目的としている。
本研究では、ガス要求量が大きい気液反応に対し、マイクロリアクタと撹拌槽を融合した反応装置の活用が有効であると考えた。初年度にあたる平成26年度は、溶媒中の有機物を酸素ガスで酸化する具体的な反応を例にとり、提案法の有効性を検証した。フラスコの中に溶液を仕込み、酸素ガスを吹き込む方式で反応を実施した場合に比べて、提案装置を用いて反応を実施すると反応速度が向上することが示唆された。提案装置内の酸素流量、循環液の流量などを変化させた実験を繰り返し、各操作パラメータが反応速度に与える影響を調査した。気液接触を強化するために設けている循環流路を長くすることにより、反応速度が向上する傾向が見られた。
気液反応においては、気相の成分が液相中へ移動するガス吸収挙動が重要となる。本研究では、気液がスラグ流となって流れている場合のガス吸収速度についてデータの蓄積を進めた。気液流量を変化させて多様なスラグ流を発生させ、各条件におけるガス吸収速度を測定した。さらに、そのガス吸収挙動を表現するための流体シミュレーション技術の開発を行った。開発した手法を用いると、各スラグ内の流動状態と気液界面を通じたガス吸収を同時に考慮した計算を行うことができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸素ガスによる有機物の酸化反応を例にとり、提案する技術の有効性を検討したところ、反応速度の向上が見られた。さらに、気液流における物質移動速度の数値計算技術の開発および実験データの採取が予定通りに進行している。以上のように本研究は計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
注目している反応について、ガス吸収速度、および液相内における溶存ガスと基質の反応速度を解析し、装置の挙動を表すモデルの開発を進める。スラグ流における物質移動のシミュレーション技術開発については、実験データとの比較を通じて、計算精度の向上を図る。
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Causes of Carryover |
当初出席を予定していた欧州での国際会議が中止となり、海外出張を取りやめたことが、次年度使用額が生じた主たる原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額は次年度の試薬と装置作製に必要な経費の一部として活用する。また、大学院生による実験補助の人数を増大させ、実験の効率化を図るために活用する。
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Research Products
(4 results)