2014 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン共鳴型光触媒の機能化と可視・赤外光誘起反応
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26289307
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
古南 博 近畿大学, 理工学部, 教授 (00257966)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光触媒 / 表面プラズモン共鳴 / 可視光 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、CeO2およびTiO2上にAuナノ粒子を安定に固定化する方法を開拓し、強い表面プラズモン共鳴を示す光触媒材料の合成に成功していたが、新たに、酸化タングステンWO3への安定固定化に成功した。また、助触媒修飾によるプラズモニック光触媒の機能化の方法として、分離型とコア-シェル型を開拓してきたが、新たに、助触媒をAu粒子上に担持するCat-On-Cat型を開発した。 確立した合成法を駆使して、Ptで機能化したAu/WO3(Pt/Au/WO3)の調製に成功した。これを犠牲剤共存下における水素および酸素の生成反応に用いると、期待通り、可視光照射下で水素および酸素が生成した。Auと酸化タングステン(WO3)は共鳴(吸収)する光の波長が異なる(550 nm付近と450 nm以下)ため、光の競争吸収が起こらず、SPR型光触媒と可視光応答型半導体の両機能が発揮された。また、Zスキーム型電子移動とは異なる電荷分離が起こり、可視光照射下で効率的に酸化還元反応が進行した。 同様に、SPR型光触媒と可視光応答型半導体が両立できる光触媒系を探索し、Ag-AgIを見いだした。一般にAg系のSPR光触媒は不安定であると思われてきたが、本光触媒は安定に光触媒機能を維持した。また、本光触媒系は、スルフィドを選択的にスルホキシドへと酸化し、スルホンへの逐次酸化(過剰酸化)を起こさないことを見いだした。このことから、可視光による物質変換反応への適用も可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究予定の70パーセントが達成され、また、平成27年度の研究予定を一部(40パーセント)前倒しで達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の未達成部分(Auナノロッドの安定固定化法の構築)に取り組むとともに、助触媒担持による機能化を行う。つぎに、これを用いた可視光光触媒反応を検討する。合わせて、開発した可視光光触媒を用いて、各種有用物質変換反応を開拓する。
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Causes of Carryover |
H26年度実施予定の酸化チタン上への金ナノロッドの安定固定化については課題が残り、金ナノロッドの安定固定化以降の実施予定であった、第2成分の添加合成実験とその光触媒機能評価実験が行えなかった。以上の理由により、これらの実験に充てる経費が次年度使用額として発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
第2成分の添加合成実験(試薬および実験器具、ガス類の購入)に約130万円、その光触媒機能評価実験(反応試薬、反応器具、分析用ガスの購入)に約100万円を充てる計画である。
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Research Products
(15 results)