2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26289321
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 真二 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30196828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 武司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50358462)
増位 和也 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 航空本部, 研究員 (50358652)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 誘導・航法・制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
耐故障飛行制御に関しては、機体重心が突然後方に移動して機体が墜落した事故もあり、こうした事態を単純適応制御によって安定化できるかどうかを検証した。飛行中に重心位置が後方に移動すると縦の操縦が不安定になるが、単純適応制御によりフィードバックゲインを自動調整することで安定化が可能であることをシミュレーションによって確認した後、JAXA実験用航空機による飛行実証を実施した。飛行試験では実際に重心を後方に移動させることは困難なため、操舵信号に伝達関数を作用させることで飛行特性を変化させ、模擬的に重心位置が後方に移動したことを実現した。シミュレーションと同様に単純適応制御による安定化が可能なことを飛行実証し、学会発表を行った。また、耐故障飛行制御の研究に関する最新情報を入手するために,世界各国から参加者が集まる「29th Congress of the International Council of the Aeronautical Sciences」に参加し、飛行制御に関する発表を中心に聴講した。その結果,耐故障制御としてニューラルネットワークや適応制御が有望であることが確認された。今後の、耐故障飛行制御の研究に関する国際共同研究提案に向けた調整を目的にBristol 大学の Andres Marcos Senior Lecturer を訪問し、提案内容について調整を行った。 実時間飛行軌道生成に関しては、飛行軌道前方に強度に不確定性を含む突風領域があると仮定し、それを回避する最適軌道を求める数値計算法を研究した。その結果、幾つかの例とともにその効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
重心移動により不安定化した航空機の適応制御による安定化の飛行実証は世界的にも例のない成果であり、国際共同研究を実施する動きを生み出せた。航空機開発の中心である欧米との情報交換は当初の計画であったが、共同研究の提案にまで踏み込めたのは計画以上の進展である
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Strategy for Future Research Activity |
耐故障飛行制御に関しては、これまでの1入力1出力での単純適応制御を多入力多出力系に拡張する。故障例としては垂直尾翼の破損を想定し、ラダー、エルロンの同時制御を検討し、試行試験を実施する。欧州との共同研究案を策定し、具体的な計画立案を行う。実時間飛行軌道生成に関しては、JAXA実験用航空機での飛行実証に備え、今年度準備を進め、可能であれば予備飛行試験を実施する。
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Causes of Carryover |
予定していた海外での学会発表を次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外発表、海外調査に使用する。
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