2015 Fiscal Year Annual Research Report
横荷重および衝突残存変形下の船体縦曲げ最終強度の効率的な解析手法の開発
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26289334
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 孝男 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50380572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正広 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70173713)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 船体縦曲げ強度 / 最終強度 / 衝突変形 / 横荷重 / 数値シミュレーション / 初期不整 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)船体縦曲げ最終強度に及ぼす横荷重の影響の評価 縦曲げ最終強度に及ぼす横荷重の影響を調べるため、ケープサイズのバルクキャリアを対象に、最も横荷重影響の大きな隔艙積み状態での最終強度を3HoldFEMモデルを用いて解析を行った。その結果、船底が圧縮応力状態となるHogging状態では、横荷重の作用によって縦曲げ最終強度が約25%程度低下するのに対して、船底が引張り応力状態となるSagging状態では、横荷重による縦曲げ最終強度の低下は極めて小さいことが確認できた。なお、形状初期不整の影響は逆にHogging状態よりSagging状態の方が大きいことも確認できた。 2)損傷後の残存強度評価 座礁、衝突によって破断する領域を精度良く評価するには、破断ひずみに及ぼす3軸応力度の影響を考慮する必要がある。前年度Bridgeman試験体を用いて弾塑性域での3軸応力度の変化も考え、3軸応力度と破断ひずみの関係を実験とそのシミュレーション計算から求めている。この際、板厚方向に要素分割したSolidf要素を用いた解析により、平板モデルや構造体の破断が精度よくシミュレートできることを示した。船舶の衝突解析では一般にShell要素を用いて解析するため、Shell要素を用いた場合の3軸応力とSolid要素を用いた場合の3軸応力度に違いを明らかにした。さらに、補強材付き平板の破断試験を実施して、Shell要素を用いた破断解析の精度検証に使用できるデータを取得するとともに、さら、Shell要素を用いた破断解析の精度向上策について検討した。 次にSmith法を用いた損傷後の船体縦曲げ最終強度計算手法の開発に関しては、補強パネルの損傷後の軸応力ー軸ひずみ関係をFEM解析で求め、このシリーズ計算結果をもとに損傷パネルの軸応力ー軸ひずみ関係の数学モデルを提案することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進捗しており、成果を上げることでできており、学会発表につい打ても国内、国外の両方で論文発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
3軸応力が破断ひずみに及ぼす影響については、シェル要素を用いた精度良い解析手法を構築すべく、昨年度実施した補強材付き試験体のシミュレーション計算などを通じて精度検証を進める。 最終強度解析手法の精度検証については、初期不整形状の大きさや試験時の境界条件が明確な状態でのモデル試験を行い、解析精度検証を行う。 さらに、これまでの研究成果を含めて研究成果を積極的に論文発表などを通じて公表する。
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Research Products
(10 results)