2014 Fiscal Year Annual Research Report
沖合の大規模Wave farmの最適設計技術に関する研究
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26289337
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
永田 修一 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 教授 (30404205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 俊明 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 教授 (90145186)
今井 康貴 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 准教授 (90284231)
村上 天元 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 助教 (90611278)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 波力発電 / 振動水柱 / 衝動タービン / 総合効率 / 後ろ曲げダクトブイ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) BBDBの発電性能評価のためのシステムシミュレーション手法の開発 本研究では、通常用いられる浮体の動揺によるメモリー影響に、従来示されていなかった空気室内の空気圧力のメモリー影響を考慮した浮体の運動方程式を用いた。空気圧力のメモリー影響は、空気室内水面に単位圧力を作用させた周波数領域でのラディエーション問題の解の畳み込み積分として表現した。空気室内の水面変化の時系列も畳み込み積分で表現した。空気室内の空気の運動に関する基礎式として、連続の式と熱力学保存則を用いる。また、タービンについては、波力発電に多用されるウェルズタービンに比べて、高トルクで広い流量係数(= 軸流速度/ロータの周速度)の範囲で高効率特性を持つとして、研究分担者である瀬戸口が開発した案内羽根付きの衝動型タービンを用い、システムシミュレーションに、このタービン特性を考慮した。 (2) 中型BBDB模型の水槽実験 上記システムシミュレーションの検証と、浮体、タービン、発電機の効率的な組み合わせを検討するために、既に、佐賀大学海洋エネルギー研究センターで所有する長さ2.5m、幅2.29mの浮体に、直径0.25mの衝動タービンとコアレス発電機を搭載した中型模型を用いて、詳細な水槽実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおよそ計画通り進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 漂流力計算法の開発 後ろ曲げダクトブイ型波力発電装置のシステムシミュレーションを行うためには、周波数領域でのBBDBに働く漂流力係数が必要となる。ここでは、周波数領域でのBBDBの浮体運動計算ツールをベースに、空気室の影響を考慮した漂流力計算プログラムを作成する。計算プログラムは、遠場法と近場法の2種類を作成する。計算法の検証は、3次元BBDBを対象に漂流力実験を実施して、得られた実験結果と計算結果の比較を行うことにより行う。 (2) 渦積分方程式法による波浪変形計算法の開発 非圧縮粘性流体の解析には、通常、微分型表示された連続の式とNavier-Stokes方程式を基礎式として、これを差分法や有限要素法を用いて解く方法が用いられる。申請者らは、既に、粘性流体に関する積分型の境界値問題を導き、Navier-Stokes方程式の新しい数値解析法(渦積分方程式法)を提案し、低レイノルズ数のHagen-Poiseulle流や一様流中の円柱に働く粘性流体力の計算を行い、その有効性を確認している。本計算法は次の特徴を持つ。①流速、渦度、圧力に関する3種類の積分方程式を時系列的に解く新しい方法である、②渦粒子法で課題である渦の拡散も正確に扱うことができる、③空間微分を含まない。空間に関する微分演算を積分演算に置き換えるので、不規則な要素分割が可能である。この方法による自由表面境界処理法を開発し、波浪伝搬問題が解けるようにする。
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Causes of Carryover |
今年度最適形状模型の発注ができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最適形状模型は次年度以降に発注を行う予定である。
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