2016 Fiscal Year Annual Research Report
Cellular and network mechanisms for the oscillatory synchronization between adjacent columns/areas
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26290006
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
姜 英男 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50177755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 博紀 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (00432451) [Withdrawn]
佐藤 元 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (10432452) [Withdrawn]
齋藤 充 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50347770)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | oscillation / synchronization / θリズム / δリズム / 島皮質 / 味覚野 / 胃腸関連領野 / anadamide |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、主に膜電位測光法を用い、錐体細胞に発現するCB1受容体の活性化により島皮質味覚野の錐体細胞集団にθリズムの同期化活動が生じ、それが尾側の島皮質胃腸関連自律領野に周期的に伝播すること、また、そうした活動はGPR119受容体の活性化により阻害されることを発見し、CB1受容体とGPR119活性化の相反作用は、cAMP産生の抑制及び促進により担われていることも明らかにした。また、味覚野内にて生じたθリズムの周期的同期化が、胃腸関連領野に伝播するのに先行して、GABAB受容体を介するフィードフォワード抑制が胃腸関連領野に生じることが観察された。そこで、本年度は、胃腸関連領野の興奮が味覚野に何らかのフィードバックを与えている可能性や、そのフィードバックにより島皮質味覚野に次の周期の興奮が引き起こされているか否かを検証するため、島皮質味覚野と胃腸関連領野の接合部付近を第1層から6層まで切断したスライス標本を作製し、AEAを投与して、oscillationを観察した。その結果、味覚野では5 Hz、胃腸関連領野では1~3 Hzのoscillationが、それぞれ独立に観察されたが、弱いcoherence が認められた。このcoherence の存在は、皮質間連絡だけではなく、島皮質下のclaustrum を経由する連絡の存在を示唆した。これらの結果から、θリズムの生成部位は味覚野であることが確定し、フィードバック効果も顕著ではないことが明らかになった。さらに、島皮質味覚野と胃腸関連領野の神経ネットワークが存在する場合には、θリズムの背後に隠れていたδリズムがAEAにより胃腸関連領野でのみ生成されることも同時に明らかとなり、胃腸関連領野のみがδとθの異なるリズムで活動し得ることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
胃腸関連領野の神経活動は、島皮質味覚野との皮質―皮質間連絡が断たれると、δリズムがAEAにより胃腸関連領野でのみ生成されることが明らかとなり、胃腸関連領野のみがδとθの異なるリズムで活動し得ることが示された。このリズムの切り替えがどのような機能的意味をもつのかは、全動物標本を用いた実験において明らかにせねばならない。 当初の計画では、それらの役割を明確にするため、GPR119 KO マウスを用いて実験を行うことを計画し、そうしたマウスから得られたスライス標本でのin-vitro 実験も計画していたが、GPR119 KO マウス (Yang et al., 2016) がウイルス性肝炎を容易に発生する素因をもつことが判明し、対照群との比較が困難となり計画通りに研究が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
GPR119 KO マウスでは、AEAの投与なしに、島皮質味覚野と胃腸関連領野間の周期的同期化が生じている可能性があり、そのリズムがδからθへの切り替わることも観察できることが期待されるので、再度、新規にGPR119 KO マウスを導入し、徹底した衛生管理下でin-vivo 実験に再挑戦する。一方で、GPR119 KO マウスを用いず、対照群のみで、リズムの切り替え現象が生じる条件の探索を行い、それぞれのリズムの機能的役割を同定する。
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Causes of Carryover |
GPR119 KO マウスが肝炎を容易に発生する素因をもつ可能性があることが判明し、対照群との比較が困難となり、計画通りに研究が進んでいないため。再度、新規にGPR119 KO マウスを導入し、徹底した衛生管理下でin-vivo 実験に再挑戦する。その一方で、GPR119 KO マウスを用いず、対照群のみで、リズムの切り替え現象が生じる条件の探索を行い、それぞれのリズムの機能的役割を同定する実験を行うため。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] The Possible Role of TASK Channels in Rank-Ordered Recruitment of Motoneurons in the Dorsolateral Part of the Trigeminal Motor Nucleus2016
Author(s)
Keiko Okamoto, Norihito Emura, Hajime Sato, Yuki Fukatsu, Mitsuru Saito, Chie Tanaka, Yukako Morita, Kayo Nishimura, Eriko Kuramoto, Dong Xu Yin, Kazuharu Furutani, Makoto Okazawa, Yoshihisa Kurachi, Takeshi Kaneko, Yoshinobu Maeda, Takashi Yamashiro, Kenji Takada, Hiroki Toyoda and Youngnam Kang
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Journal Title
eNeuro
Volume: 7
Pages: 1-19
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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