2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26290028
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八神 健一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40166476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 聖哉 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10633141)
杉山 文博 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90226481)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 自然突然変異 / 大規模ゲノム欠損 / 着床傷害 / Exoc1 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規の自然突然変異マウスであるWSマウスの遺伝子変異部位を多型解析とfluorescence in situ hybridization (FISH)により解析した結果、第5番染色体上の9遺伝子(Kit, Kdr, Srd5a3, Tmem165, Clock, Pdcl2, Exoc1, Cep135)を含む約1.2 Mbのゲノム領域が欠損していることが明らかとなった。次に、WSマウスの致死時期を詳細に解析したところ、着床後すぐに致死が生じていることが明らかとなった。また、初期胚における遺伝子発現解析から、WSマウスにおける致死の原因遺伝子の第一候補としてExoc1遺伝子を選び出した。このExoc1遺伝子のノックアウトマウスを作製・解析したところ、WSマウスと同様に着床前後で致死が生じることが明らかとなった。 さらに、WSマウスにおいて欠損しているExoc1遺伝子以外の遺伝子群のpolygenicな影響が、初期胚の発生に関わっている可能性を検討するため、CRISPR/Cas9システムを利用して、7遺伝子(Kit, Kdr, Srd5a3, Tmem165, Clock, Pdcl2)を含む約1.1 Mb のゲノム領域を欠損するマウス(WEマウス)を新たに作出した。表現型解析の結果、このWEマウスにおいては着床時期の致死が観察されなかった。 以上のことから、WSマウスで観察される着床時の致死の原因は、Exoc1遺伝子の単一欠損であると結論付けた。 加えて本年は、初期胚におけるExoc1の機能を今後さらに解析していくために、Exoc1の遺伝子発現をlive imagingすることが可能な蛍光レポーター遺伝子ノックインマウスの作製を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規突然変異マウスにおける大規模ゲノム欠損領域を特定することができ、さらにその欠損領域中に位置するExoc1が原因遺伝子であることを明らかにすることができた。また、Exoc1の初期胚発生時期における機能を解析するため、当初の計画通り、原因遺伝子の発現をlive imagingすることが可能な蛍光レポーターノックインマウスの作製も順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られたデータをまとめた論文を投稿する予定である。また、Exoc1の生体における機能はほとんど未知であるため、初期胚発生時におけるExoc1の発現を蛍光レポーターマウスや免疫染色法により特定するとともに、in vitro系においてExoc1と関連する遺伝子群を同定していく予定である。
|
Research Products
(3 results)