2015 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌治療に向けた分子基盤としてのBRCA1の機能解析
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26290042
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
太田 智彦 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60233136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 成和 国立研究開発法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (50505948)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳癌 / 治療 / BRCA1 / BARD1 / DNA損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
BRCA1はDNA二本鎖切断修復において中心的な役割を果たしており、RNF8/RNF168経路によってBRCA1/RAP80複合体がDNA損傷局所に集積することがよく知られている。これに対して研究代表者は相同組換え修復にはRNF8/RNF168経路とは別にヘテロクロマチン構成因子により損傷局所に集積するBRCA1が主要な役割を果たすことを報告してきた。この点を明確にし、乳癌治療の分子基盤とするべく本年度は以下の点を明らかにした。Doxycyclin誘導性に内因性のBARD1をHP1との結合が阻害される変異型BARD1(L570E/V571E)に置換可能なHeLaおよびU2OS細胞、HP1ファミリーメンバーであるHP1α、β、γ全てが抑制されるHeLaおよびU2OS細胞ではBRCA1、CtIP、RAD51のDNA二本鎖損傷局所への集積が著しく阻害されるのに対してRAP80と結合型ユビキチンの集積は全く阻害されなかった。この結果を反映し、これらの細胞はPARP阻害剤に対する感受性が上昇していた。これに対してRNF168抑制HeLa細胞においてはRAP80と結合型ユビキチンの集積は阻害されるのに対してCtIPとRAD51の集積は阻害されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度までに樹立した各種細胞株が利用可能となったために種々の機能解析が進んでおり、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
BRCA1のC末端に結合するDNAヘリカーゼであるFANCJ/BRIP1/BACH1がRNF8/RNF168あるいはBARD1/HP1のいずれの経路によってDNA二本鎖切断部位にリクルートされるのかを明らかにする。また、ヘテロクロマチン構成因子およびヒストンH3K9メチル化の相同組換え修復における意義について明らかにする。
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