2014 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞性白血病に対する腫瘍抗原特異的T細胞受容体遺伝子導入細胞療法の開発
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26290058
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
神田 善伸 自治医科大学, 医学部, 教授 (30334379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 理絵 自治医科大学, 医学部, 助教 (80365262)
諫田 淳也 自治医科大学, 医学部, 講師 (30636311)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞免疫療法 / 成人T細胞性白血病 / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人T 細胞白血病・リンパ腫(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-I)を原因とする難治性の造血器腫瘍である。我々はこれまでにsingle-cell RT-PCR 法でのT細胞受容体(TCR) レパトア解析によって、ATLに対する造血幹細胞移植後にHTLV-Iに由来する転写活性因子Taxを標的とする細胞傷害性T細胞(CTL)が増加し、その中でも特定のアミノ酸配列(“P-D/P-R”配列)を含むTCRレパトアを有するCTLが強い細胞傷害活性を有すること、このようなTCRレパトアを持つCTLは移植前後をまたいで、あるいは患者間をまたいで普遍的に存在することを示した。 そこで、本研究では強力な細胞傷害活性を発揮するCTLのTCRの全長DNAをクローニングしてレトロウイルスベクターを用いて健常人末梢血単核球に遺伝子導入し、ATLに対する特異的免疫療法の臨床応用を実現する。H26年度は“P-D/P-R”配列を有するTCRの全長の塩基配列を同定し、内因性のTCRα/β遺伝子の発現を抑制するsmall interfering RNAを組み込んだレトロウイルスベクターを用いて、HLA-A*2402拘束性 HTLV-1 Tax特異的 CTLクローンを樹立した。HTLV-1ペプチドをパルスしたT2A24細胞、および複数のHLA-A*2402陽性ATL細胞に対する遺伝子導入細胞の細胞傷害活性をカルセイン法で評価し、Mock導入細胞と比較して強い細胞障害活性を有することを示した。HLA-A*2402陰性ATL細胞に対する活性はみられず、HLA-A*2402拘束性の HTLV-1 Tax特異的 CTLクローンであることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究進捗状況は当初の研究計画の通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は遺伝子導入細胞の個体内での細胞傷害活性を評価するために、マウスを用いたin vivoの系で研究を行う。HLA-A*2402陽性および陰性のATL腫瘍細胞株を用いて、それぞれレンチウイルスでルシフェラーゼ(LUC)遺伝子を導入したATL細胞株を作成する。体内の腫瘍細胞はVivoGlo Luciferinを腹腔内投与した後に、AEQUORIA luminescence imaging systemを用いて評価する。まず、Winn assayとして、NOD/scid/γcnull (NOG)マウスにHLA-A*2402陽性あるいは陰性のLUC遺伝子導入ATL細胞株とTCR遺伝子導入細胞あるいは非遺伝子導入細胞(陰性コントロール)と同時に皮下接種することにより、TCR遺伝子導入細胞がHLA-A*2402陽性ATL細胞の増殖を抑制するかどうかを評価する。次に、免疫細胞療法モデルとして、HLA-A*2402陽性あるいは陰性のLUC遺伝子導入ATL細胞株を静注したNOGマウスに対して、その4日後からTCR遺伝子導入細胞あるいは非遺伝子導入細胞(陰性コントロール)を繰り返し静注することによって、TCR遺伝子導入細胞の抗ATL細胞効果がHLA依存性に発揮されるかどうかを評価するマウスの系においては他の正常臓器への影響がみられないかどうかについても病理学的に評価する。 効率よく研究を進めるために、タカラバイオ株式会社との共同に加えて、自治医科大学内の各部署の協力を得て研究を推進する。
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