2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26290069
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
守屋 央朗 岡山大学, その他部局等, 准教授 (60500808)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 化学量不均衡 / 酵母 / ユビキチンープロテアソーム系 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまでの研究で、タンパク質複合体の構成成分の不均衡(化学量不均衡)が細胞システムを容易に破綻させる原因となることを明らかにした。一方、そのような破綻の原因となる複合体は細胞内にかずかにしか存在せず、多くの複合体の化学量不均衡は何らかの分子メカニズムにより回避されていることが予想された。本研究ではその候補と考えられる、過剰な複合体サブユニットの速やかな分解と分子シャペロンによる隔離が、どのような複合体の化学量不均衡を回避するために働いているのか、その全体像を明らかにする。本研究では申請者らが独自に開発したgTOW報とタンパク質発現量の測定(解析1),破壊株による限界コピー数の測定(解析2)を中心的な実験手法とする。
平成26年度には第一染色体の54遺伝子をターゲットとして解析を行い、5つの遺伝子が不均衡が回避されているターゲットであることを見出した。また、不均衡回避のメカニズムとしてユビキチンープロテアソーム系が関与している可能性を見出した。平成27年度は、上述の5つの遺伝子がコードするタンパク質はすべて複合体の構成成分であったことから、これらのタンパク質含まれる複合体の他の構成成分についても同じように不均衡の回避が行われるかを調べた。さらに、化学量不均衡の回避がタンパク質分解を通して上方にも下方にも行われることを示した。また、リボソームプロファイリングにより翻訳速度の調整によっては、化学量不均衡の回避は行われないことも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化学量不均衡の回避を受けるタンパク質複合体が同定でき、回避のための具体的な分子メカニズムを明らかにしつつあるから。
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Strategy for Future Research Activity |
現在取得されているデータをまとめ論文として発表する。
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