2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26291010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西増 弘志 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00467044)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 結晶構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
PIWIタンパク質は動物の生殖組織に発現し、piRNA(PIWI-interacting RNA)とpiRISC(piRNA-induced silencing complex)を形成し、トランスポゾンに由来するRNAを抑制することによりゲノム情報を次世代に正確に伝える役割を担う。本研究では、piRISCの作動機構の解明をめざし、カイコに由来するPIWI(Siwi)の結晶構造解析を推進した。抗Siwi抗体を固定化したセファロース担体を用いてBmN4細胞抽出液からSiwiを回収し、サーモリシン処理を行い、Siwiのコア領域を単離し、カラムクロマトグラフィーにより高純度に精製した。変性ゲル電気泳動の結果、精製したSiwiには約28塩基長の内在性のpiRNAが結合しており、Siwi-piRISCを形成していることが明らかになった。Siwi-piRISCを結晶化し、その結晶構造を2.4Å分解能で決定した。Siwiは4つのドメイン(N,PAZ,MID,PIWI)とそれらをつなぐリンカードメイン(L0,L1,L2)から構成され、2つのローブ(N-PAZローブとMID-PIWIローブ)からなる構造をとっていた。piRNAの5′末端および3′末端は、それぞれMID/PIWIドメインおよびPAZドメインに結合していた。Siwiは1位にU塩基をもつpiRNAに結合することと一致し、5′末端にはUに対応する電子密度が観察された。SiwiとhAgo2の構造比較から、各ドメインの構造は似ている一方、MID-PIWIローブに対するN/PAZドメインの配置が顕著に異なることが明らかになった。これらの構造の違いは、両者の機能的な違いを反映していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Siwi-piRISCの結晶構造を決定し、Cell誌に発表したため。
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Strategy for Future Research Activity |
Siwi-piRISCの異なる状態の構造決定を行い、その作動機構を明らかにする。
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Causes of Carryover |
次年度のX線回折実験に用いるサンプル調製のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
培地、実験用試薬の購入。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Structure of Cpf1 in Complex with Guide RNA and Target DNA2016
Author(s)
Yamano T, Nishimasu H, Zetsche B, Hirano H, Slaymaker IM, Li Y, Fedorova I, Nakane T, Makarova KS, Koonin EV, Ishitani R, Zhang F, Nureki O
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Journal Title
Cell
Volume: 165
Pages: 946-962
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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