2016 Fiscal Year Annual Research Report
非興奮性細胞の電位作動性カルシウムチャネルのサブユニット間相互作用の領域と役割
Project/Area Number |
26291026
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
飯田 秀利 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (70124435)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電位作動性Ca2+チャネル / サブユニット / 出芽酵母 / タンパク質間相互作用 / 電位依存性Ca2+チャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
電位作動性Ca2+チャネル(voltage-gated Ca2+ channel = VGCC)の研究は、主に動物の興奮性細胞(つまり神経細胞、筋細胞など)を用いて多くの研究がなされてきた。その結果、その立体構造と電気生理学的性質がかなり明らかにされ、Ca2+チャネル病の理解にも貢献している。一方、VGCCは動物界だけでなく菌界にも広く存在している。しかし、菌類のCa2+チャネルの構造と機能はほとんど分かっていない。本研究では、非興奮性細胞であり、菌類のモデル生物である出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のVGCCに着目して、そのポア形成サブユニットであるCch1と制御サブユニットであるMId1の研究を行った。 Cch1とMid1が共存してはじめてCa2+透過活性が発生する。そのため、両サブユニット間の相互作用がチャネル活性に重要である。また、Cch1またはMid1の遺伝子を欠損した株は、性フェロモンであるα-factor受容後にCa2+を取込めずに死にいたる。昨年度までの本研究から、Cch1の4つのドメインのうちドメインIIIがMid1との相互作用に重要であることが明らかにされている。これを踏まえて、本年度はこのドメインIIIの領域にMn-PCR法で突然変異を導入し、変異タンパク質のcch1欠損株の致死性を相補できるか否かでドメインIII内のどのアミノ酸残基がCch1の機能に重要かを調べた。その結果、C1284R, S1322G, M1333K, P1353L, D1371V, C1379S, I1392T, M1393TおよびS1394Fの合計9個の単一変異を見出した。そのうち、Mid1との共免疫沈降実験で、D1371V、I1392TおよびS1394FがMid1との相互作用に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cch1タンパク質のドメインIII内のアミノ酸残基群のうち、3つのアミノ酸残基がMid1との相互作用に重要であることを示唆できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
Mid1との相互作用に関わるCch1上のアミノ酸残基の変異をを3つ特性できたが、この3つ以外にも重要なアミノ酸残基が存在することを否定できない。そこで、今後は更なるアミノ酸残基を探すこととする。そのためには、Mid1が存在しなくても構成的にCa2+透過活性をもつCch1の突然変異を見つけることが今後重要である。
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Causes of Carryover |
本研究の主要目的は、電位作動性カルシウムチャネルのサブユニット間相互作用に関与する領域を特定することです。これまでの3年間の研究により、それに関わるCch1サブユニット内の領域を絞り込むことに成功し,3つの重要なアミノ酸残基を特定しました。ただし、Cch1サブユニットは分子量が大きいために、遺伝子操作に予想以上に時間がかかりました。したがって、さらに重要領域を絞り込む研究が残った状況になり、その分の使用予定額が残りました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度においては、更なる重要領域の絞り込みを行うために、上記の未使用額を物品費に充てる予定です。
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[Presentation] Mechanosensing in plants2016
Author(s)
Iida, H.
Organizer
The 3rd Annual Meeting of the Society for Bioacoustics
Place of Presentation
Irago Sea-Park & Spa (Irago-cho, Tahara-shi, Aichi, Japan)
Year and Date
2016-12-10 – 2016-12-11
Int'l Joint Research / Invited
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