2014 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部で発見した分泌タンパク質の生理的意義と作用機序の解明
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26291066
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浮穴 和義 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (10304370)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視床下部 / 分泌タンパク質 / 成長 / 脂肪蓄積 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、鳥類や哺乳類の視床下部から分泌性タンパク質をコードしている新規遺伝子を発見している。この分泌性タンパク質を合成し、成熟ラットの脳室内へ慢性投与すると、体重増加量の減少と脂肪蓄積効果が認められた。さらに、アデノ随伴ウイルスを用いた前駆体遺伝子の過剰発現解析の結果、下垂体中の成長ホルモンmRNA量が減少していた。成長ホルモンは、成長のみならず、脂肪分解に関与していることが知られている。以上の結果から、新規分泌性タンパク質は、成長ホルモンの合成・分泌を抑えることで成長遅延と脂肪蓄積が生じているのではないかと予測し、本研究ではその可能性を検討した。 平成26年度の研究では、成長ホルモンとの相互作用を解析する目的で、より成長段階である幼弱ラットを用い、過剰発現系における表現型解析を行った。その結果、脳下垂体中の成長ホルモンmRNA発現量、血中の成長ホルモン、さらに血中のインスリン様成長ホルモン(IGF-1)には対照群と比較して変化は認められなかった。しかしながら、顕著な体重増加抑制効果が認められ、体長、筋肉量、臓器重量も減少していた。一方で、皮下脂肪である鼠経部脂肪の蓄積が亢進していた。 以上の結果から、新規分泌性タンパク質は、成長ホルモンの合成や分泌に影響を与えることなく、成長遅延と脂肪蓄積を促す作用があることが明らかとなった。今回の研究は、付加的な実験結果であるため、今後は本来発現している遺伝子の機能低下を生じさせ、生じる表現型を解析していく予定でいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、平成27年度に計画していた研究内容も平成26年度に遂行することができた。成長ホルモンへの関与を予想していたが、それを支持しない結果を得た。したがって、選択肢が減り、今後の解析がよりスムーズに進むものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、TALENを用いたゲノム編集技術によりノックアウトラットの産出に成功している。さらに、過剰発現を示すトランスジェニックマウスの繁殖も進めている。これらの表現型を解析していくことで新規遺伝子及びその翻訳産物である分泌性タンパク質の生理機能と生理的意義を明らかにできると考えている。さらに、鳥類ニワトリを用いた機能解析も進めていく予定でいる。
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Causes of Carryover |
当初予定した研究内容を予想外のスピードで遂行することができた。そのため、当初予定していた実験を行う必要がなくなったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度はノックアウトラット及びトランスジェニックマウス、ニワトリでの慢性投与実験を遂行するため、当初予算よりも多くの研究費が必要となると考えている。そのため、繰り越し費用をそれらに充足したい。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] A unique mechanism of successful fertilization in a domestic bird.2015
Author(s)
Sasanami T, Izumi S, Sakurai N, Hirata T, Mizushima S, Matsuzaki M, Hiyama G, Yorinaga E, Yoshimura T, Ukena K, Tsutsui K.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 5
Pages: 7700
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Identification of a cDNA encoding a novel small secretory protein, neurosecretory protein GL, in the chicken hypothalamic infundibulum.2014
Author(s)
Ukena K, Iwakoshi-Ukena E, Taniuchi S, Bessho Y, Maejima S, Masuda K, Shikano K, Kondo K, Furumitsu M, Tachibana T.
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Journal Title
Biochem. Biophys. Res. Commun.
Volume: 446
Pages: 298-303
DOI
Peer Reviewed
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