2015 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部で発見した分泌タンパク質の生理的意義と作用機序の解明
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26291066
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浮穴 和義 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10304370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩越 栄子 広島大学, 総合科学研究科, 研究員 (50311296)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視床下部 / 分泌小タンパク質 / 脂肪蓄積 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、鳥類や哺乳類の視床下部から分泌性の小タンパク質をコードしている新規遺伝子を発見し、その機能解析を進めている。ラットを用いて前駆体遺伝子の過剰発現や小タンパク質の慢性投与実験により、成長抑制や脂肪蓄積が生じることを明らかにしている。昨年度の研究により、成長ホルモンやインスリン様成長因子へは影響を及ぼさずに、成長を抑制していることを見出している。本年度は、マウスを用い前駆体遺伝子を過剰発現するトランスジェニックマウスを用い、表現型解析を行うことで、新規遺伝子の機能解析を行った。 ユビキタスに過剰発現が生じるCMVプロモーターに新規遺伝子を連結したトランスジェニックマウスを産出した。その後、約26週間飼育し、表現型をコントロールマウスと比較した。摂食量には変化は見られないが、体重が若干重かった。興味深いことに、白色脂肪組織の重量が増加した。しかし、肝臓と褐色脂肪組織の重量には変化が見られなかった。さらに、肝臓、褐色脂肪組織、白色脂肪組織における脂肪合成及び脂肪酸化酵素の遺伝子発現レベルを解析したところ、褐色脂肪組織と白色脂肪組織では有意な変化は認められなかったが、肝臓では、脂肪酸化に関わる因子の発現レベルが上昇していた。形態学的解析から、白色脂肪組織と褐色脂肪組織では脂肪細胞の肥大化が生じていたが、肝臓では脂肪蓄積は認められなかった。 以上の解析から、新規小タンパク質は、肝臓での脂肪蓄積を敢えて生じない様にし、脂肪組織でのみ特異的に脂肪蓄積を促す脳因子であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までのラットでの解析に加え、マウスでも同様な表現型が生じることを明らかにできた。本研究課題は、新規遺伝子と翻訳産物の分泌タンパク質の生理機能の普遍性を証明することを目的としており、その目的の一つが達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ラットとマウスで得られた脂肪蓄積の分子的な作用メカニズムを解明したいと考えている。そのために、ゲノム編集技術を用いたノックアウト動物での解析を進める予定でいる。さらに、既知の因子との相関に関しても解析を行っていく予定でいる。
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Causes of Carryover |
初年度である平成26年度の研究が予想外に早急に進んだため、研究費の繰り越しがあった。平成27年度は当初の予定通りの研究遂行であったが、初年度分の繰り越しがあったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、ゲノム編集技術によるノックアウト動物産出のための費用が必要であり、その経費に充足する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] A unique mechanism of successful fertilization in a domestic bird.2015
Author(s)
Sasanami T, Izumi S, Sakurai N, Hirata T, Mizushima S, Matsuzaki M, Hiyama G, Yorinaga E, Yoshimura T, Ukena K, Tsutsui K.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 5
Pages: 7700
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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