2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive research on Takakia and Haplomitrium based on genomic information
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26291081
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋村 正樹 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00432708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 智明 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (50390688)
榊原 恵子 立教大学, 理学部, 准教授 (90590000)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 進化 / 植物 / 比較ゲノム / 発生進化 / コケ植物 / ナンジャモンジャゴケ / コマチゴケ |
Outline of Annual Research Achievements |
コケ植物の中で,系統的に最も基部に位置すると考えられているコマチゴケ綱(タイ類)とナンジャモンジャゴケ綱(セン類)について,形態学的研究とゲノム解析を進めた.一胞子由来のコマチゴケ半数体培養株から平均450 bpのインサートサイズのPCR Free ライブラリーを作成しHiSeq 2500で両端から250塩基ずつ合計で130Gbのデータを取得した.K-mer解析からゲノムサイズは3.5 Gbと推定された。また,Discoverによってアセンブルしたところ,全部で3.8GbのScaffoldが得られた (1kb以上の配列だと3Gb)。N50 scaffold size = 23,363,N50 contig size = 19,745である。CEGMA によって真核生物に超保存的な248の遺伝子のどれだけが見つかるかを調べると,完全長191個(77.02%),部分配列220個(88.71%)とゲノムサイズの割には比較的高い値が得られた。さらに,10X Genomics GemCodeによる,コマチゴケ(約3.5 Gb 半数体) scaffoldingデータの取得を進めた. ナンジャモンジャゴケについては,脱落した葉からのシュート再生過程で,最初に粘液毛が形成されることを明らかにした.脱落した葉がすぐに粘液毛を形成し,共生菌との共生体構造を形成することで,脱落した葉や再分化したシュートの生残性を高める可能性が示唆された.粘液毛内部に生育する菌類を単離し,無菌化した植物体断片と共培養を行ったところ,新たに形成された粘液毛での菌根様構造を再構成する2種類の菌株を得た.分子系統解析は,これらが子嚢菌で,ツツジ科植物の根から単離された真菌と近縁であることが示唆された,
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コマチゴケのゲノム解析については進展があったが,ナンジャモンジャゴケについては葉緑体ゲノム配列のみを先行して公開しているが,核ゲノムに関しては海外の研究グループとの競合もあり,データの重複を防ぐために解析の進行を見合わせ,形態学的研究を中心に研究を進めた.
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Strategy for Future Research Activity |
コマチゴケゲノム情報の解析,形態形成関連遺伝子の解析に注力して研究を進める.
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Causes of Carryover |
コマチゴケゲノム解析の進行に伴い,年度の後半の研究の遂行に関し,予定とは異なる形態学的実験を進めたことで,消耗品の購入などに関し予定との齟齬が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度であるため,次年度に繰り越した額を,ゲノム解析と形態学的解析の研究成果のバランスが取れるよう使用する.
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Research Products
(2 results)