2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of archaeal transcriptional regulators in a hyperthermophile
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26292038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金井 保 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (10346083)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超好熱菌 / アーキア / 転写 / 微生物 / 芳香族アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)新規Lrp/AsnC family転写制御因子の機能解析 DNA 修復に関わるRadA/Rad51 recombinaseの上流に結合することが予想された、新規なLrp/AsnC familyに属する転写制御因子についての機能解析を進めた。本遺伝子破壊株を作製し、それを用いたマイクロアレイ解析により、転写量が変動する遺伝子群を検出した。その結果、推定アスパラギナーゼをコードする遺伝子の転写変動が大きいことが判明した。アスパラギナーゼ遺伝子と本転写制御因子遺伝子の上流配列を確認したところ、共通配列の存在が明らかとなった。そこで、大腸菌を用いて調製した組換えタンパク質を用いてElectrophoretic Mobility Shift Aaasy (EMSA)を行った結果、バンドシフトが観察されたことから、これらのプロモーターへの結合が確認された。 2)新規転写制御因子Tarの機能解析 TarがT. kodakarensisの芳香族アミノ酸生合成系全体を制御している可能性を考え、trp operon に加えて、aro operon tyr/phe operon, his operonに対するTarの機能解明を進めた。まずTar遺伝子破壊株の生育測定を行った結果、いずれの芳香族アミノ酸非添加培地においても、元株よりも生育が著しく悪化することが判明した。またEMSAによりTarがこれらの全てのオペロンのプロモーターと結合することを確認した。これらのことから、TarはT. kodakarensisの芳香族アミノ酸生合成系全体を制御している可能性が考えられた。しかし野生株のマイクロアレイ解析の結果、his operonの挙動が、trp operon, aro operon, tyr/phe operonとは異なる点が見られたことから、his operonにおいて他とは異なる制御機構が存在している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Tarが芳香族アミノ酸生合成系全体を制御している可能性が示され、それに加えhis operonには新たな制御系の存在が明らかになるなど、新しい事実の発見が続いているため。
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Strategy for Future Research Activity |
芳香族アミノ酸生合成遺伝子群の制御機構の全体像を明らかにすると共に、Tarの立体構造解析によりその転写活性化機構の分子メカニズムの解明を行う。また新規なLrp/AsnC family転写制御因子についても、in vitro解析を進めると共に、遺伝子破壊株の特性解析を行う。
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Causes of Carryover |
遺伝子工学用試薬・酵素・キットの使用が当初の想定よりも少なかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Tarや新規なLrp/AsnC familyに属する転写制御因子のin vitro機能解析のための試薬購入費にあてると共に、追加で実施することになったTarの立体構造解析に必要な費用などに充当する。
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Research Products
(1 results)