2015 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス可視化センサーで追跡するタンパク質代謝異常のレドックス破綻と回復の機構
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26292052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60202082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寳関 淳 京都大学, 農学研究科, 特任准教授 (40423058)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レドックス / 蛍光タンパク質 / タンパク質代謝異常 / ケミカルバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内レドックスを可視化する roGFP と申請者が作製した Redoxfluor をもとにオルガネラターゲット型スーパーレドックスセンサーを創生し、哺乳・酵母細胞内における局所的レドックスモニタリング技術を開発する。その可視化技術を用いて、タンパク質分解系の一つであるプロテアソーム阻害によって引き起こされるレドックス破綻の細胞内における機序と分子機構を明らかにする。老化や神経疾患にともなって起こるレドックス破綻を回復する化合物・食品機能成分の探索系を培養細胞レベルで確立し、ハイスループットに行うことにより、当該化合物のレドックスモジュレーターとしての分子機能・効能を実証し、新たな機能性食品・創薬開発のための礎とする。 平成27年度は、Redoxfluorに円順列変異やシステイン残基の置換を導入することで、本プローブのダイナミックレンジを改良した。さらに、プロテアソーム阻害によるレドックス破綻を正常に戻す「レドックスモジュレーター」を、食品由来の抗酸化剤を対象にし、Redoxfluorを用いた細胞内レドックスの可視化によりスクリーニングを実施した。「レドックスモジュレーター」として同定された抗酸化剤は、いずれも抗酸化酵素の誘導活性ではなく、ミトコンドリアで産生した活性酸素種を消去することでプロテアソーム阻害に伴うレドックス異常を回復させることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画に沿って研究が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、細胞に蓄積するAβ オリゴマーの毒性発現の機序を同定する。まず、どのオルガネラに蓄積、そのレドックスを破綻させるのかを明らかにする。その後、Aβ オリゴマーの毒性発現の機序を明らかにする。また、小胞体ストレスにより生じるレドックス破綻を正常に戻す「レドックスモジュレーター」としての食品機能成分・化合物のハイスループット・スクリーニングを行う。さらにオルガネラ特異的なレドックスセンサーにより、これらの化合物の作用点を確かめ、同定されたレドックスモジュレーターの作用機序を明らかにする。
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Causes of Carryover |
消耗品の使用をできる限り節約した結果、当初予定より若干使用額が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度の成果を上げるため、前年度繰り越し分を消耗品として活用する。
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Research Products
(12 results)