2015 Fiscal Year Annual Research Report
組織内活性型ビタミンKの内分泌調節作用とその機構解析
Project/Area Number |
26292063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白川 仁 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40206280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 三千夫 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80143022)
後藤 知子 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00342783)
豊水 正昭 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80180199)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ビタミンK |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット膵臓由来INS-1細胞を用いて、グルコース依存性インスリン分泌にビタミンKが与える影響について解析を行った。低濃度のグルコース溶液での刺激と同時にメナキノン-4で刺激した場合、一定時間後に培地中に分泌されるインスリン量は、メナキノン-4によって増加し、濃度依存性も観察された。一方、高濃度のグルコース溶液で刺激した場合、メナキノン-4の影響は見られなかった。このことは、前年度の膵臓より調製した膵ランゲルハンス島を用いた同様の試験と類似した結果であった。また、メナキノン-4で処理した場合、細胞内cAMP量の増加が観察された。Aキナーゼの阻害剤であるH89で処理した場合、メナキノン-4によるインスリン分泌増強作用は消失した。cAMP応答配列結合タンパク質の結合配列をプロモーターにもつレポーター遺伝子をINS-1細胞にトランスフェクションし、メナキノン-4処理後に細胞抽出液中のレポーター活性を測定したが、メナキノン-4の影響は観察されなかった。以上の結果より、メナキノン-4は細胞内のcAMPレベルを増加させ、グルコース依存性のインスリン分泌を増強することが明らかになった。メナキノン-4の側鎖類縁体である、ゲラニルゲラニオールを用いて同様の試験を行ったが、インスリン分泌増強作用や細胞内cAMP量の上昇が観察されなかった。このことから、ゲラニルゲラニオールは、精巣由来細胞と膵臓由来細胞で作用が異なることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、ラット膵臓由来不死化β細胞を使用したが、他の不死化β細胞においても、同様の試験を行い、再現性を見る必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
単離膵ランゲルハンス島、および複数種の不死化したβ細胞を用いて、ビタミンKによるインスリン分泌増強の作用機構を解析する。特に、ミトコンドリアでのATP産生増加も、インスリン分泌増強の一要因となることから、メナキノン-4によるATP産生系への影響を解析する。また、メナキノン-4以外のビタミンKアナログも増強作用を有しているのか、否かの解析を行う。
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Causes of Carryover |
実験動物(ラット)を使用した試験を年度内に行う予定であったが、試薬などのロット差により、次年度に繰り越しになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4月に予備試験を行い、5月中に執行予定である。
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Research Products
(16 results)
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[Book] 基礎食品学2015
Author(s)
白川仁 (池田郁夫、遠藤泰至編)
Total Pages
205(65-76)
Publisher
アイ・ケイコーポレーション