2016 Fiscal Year Annual Research Report
ブナ科樹木を加害するキクイムシ類と共生菌に関する群集生態学的研究
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26292084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大澤 直哉 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10221821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 秀章 国立研究開発法人森林総合研究所, その他部局等, 研究員 (10353682)
田中 千尋 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60263133)
都野 展子 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (60295102)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | キクイムシ / 群集 / 個体群動態 / 生態的特性 / 共生菌 / ブナ科 / 捕食者 / ナラ枯れ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究に先立ち、国内の関連研究者と、研究実施計画、解析方法、とりまとめ指針の妥当性について、意見交換を行った。 ブナ科樹木の萎凋枯死を起こしていないブナと萎凋枯死を起こしているコナラを対象に、キクイムシ類の時間的空間的群集動態と共生・随伴菌の詳細な実態解明を通じてのブナ科樹木の萎凋枯死のメカニズムの解明を目的に、以下の調査を実施した。 野外調査 カシノナガキクイムシが多数発生しているコナラにおいて、幹に存在する全てのキクイムシ類の穿孔穴に、個別トラップを設置し地上高を記録した上で、全てのトラップをチェックした。キクイムシ類が捕獲された場合は、日時の記録とともに全てのキクイムシ類を捕獲し標本を作成した。樹木地上部が枯れた時期を正確に確認するために、枯れていない2本の樹木に樹液流速計を設置し、樹液流速を計測中である。キクイムシ類標本は、種レベルの正確な同定後、得られたデータを用いたデータベースを作成中し、最終的なとりまとめを目指し、キクイムシ類の生態的特性について解析を行った。 室内実験における共生菌の同定、培養及び野外接種実験の実験デザインを再検討中で、サンプル方法を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野外実験はあるほぼ計画通り実行され、サンプルや野外データが蓄積され、データ解析がほぼ終了しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策 (1)国内外野外調査を実施し、継続的なキクイムシ群集の追加実態調査及びデータ解析と結果のとりまとめ (2)共生菌の同定、培養及び野外接種実験の計画及び実施 (3)これら研究遂行のため、国内外の関連研究者と、研究実施計画の妥当性や解析手法に着いての意見交換
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Causes of Carryover |
調査に関する消耗品が予定より少なく済んだこと、及び標本同定確認や調査に関わる旅費が予定より少なかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入と、旅費として使用予定。
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