2014 Fiscal Year Annual Research Report
RFID技術を活用した河川生態系における小型魚の行動モニタリングシステムの構築
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26292103
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 和士 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70301877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 健太郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 特任助教 (00720707) [Withdrawn]
藤原 孝洋 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 教授 (80435388)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RFID / 群行動実験 / モニタリングシステム構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
RFID(Radio Frequency Identificationの略称)モニタリングシステムの最適化を実現のため、そのひな形であるRFIDモニタリングシステムの試作検討を行った。1,3) RFIDモニタリングシステム試作およびRFIDモニタリングシステムの原型構築:水中におけるRFIDの電波伝搬の特性を検討した。その結果、伝搬方式は水の非透磁率がほぼ1であることを利用した電磁誘導による伝搬方式を有力候補として挙げられた。その方式を採用しているBiomark社のRFIDシステムの基本特性を調査し,有効距離が約10cmであること,また水の影響がほぼないことが明らかとなった.また,異種センサネットワークとサーバを連携するデータ収集ネットワークにミドルウェアを用いる方式を国際会議で提案し,その方式をRFIDデータ収集システムに応用して開発を行った.そのシステムによって,RFIDリーダで読み取ったデータを無線LANでサーバに転送し収集することが可能になった.2) 試作システムを用いた小型魚の群行動実験RFIDタグのサイズなどを考慮し、群行動実験に使用する対象種の選定およびフィールドの選定を行った。対象生物は、(トゲウオ類、小型サケ科魚類,ザリガニ)を選定した。RFIDモニタリングシステムの試作実験用に室内飼育水槽と環境を整え、対象種のサンプリングおよび飼育を行ない、ハンドリングや装着方法を検討した。さらに、平成27年度に予定している河川設置方法の検討のため、道東標津町の標津サーモン科学館の野外水路を使用できるように要請して協力体制を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり、RFIDモニタリングシステムの原型構築に係る水中におけるRFIDの電波伝搬の特性を把握することができた。その結果、伝搬方式は水の非透磁率がほぼ1であることを利用した電磁誘導による伝搬方式を有力候補として挙げられた。また、異種センサネットワークとサーバを連携するデータ収集ネットワークにミドルウェアを用いる方式を国際会議で提案し,その方式をRFIDデータ収集システムに応用して開発を行った。また、本格的な群れ行動実験のための対象種選定および実験施設の環境が整い、次年度に本格的な試験を行う体制が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
試作システムを用いた室内実験を反復し、野外で改良型システムの検証を行う。 1) 実験河川用のモニタリングシステムの構築: 平成26年度に構築したRFIDモニタリングシステム原型を使った室内実験を反復し改良を加える。その後、河川設置方法を標津サーモン科学館の擬似水路にて検討する。RFIDリーダーからデータをWEBサーバに転送する無線ネットワークについて、実験施設および野外で使用できるように改良を加える。RFIDリーダーで読み取ったID情報をサーバに転送する無線ネットワークを河川に構築し、広域エリアからのデータ収集システムの性能評価を行う。RFIDリーダに供給する電源を野外で確保可能なバッテリーシステムを試作する。透明は2,3日程度連続で起動するシステムの実用化を目指す。 2) 実験河川による群れ行動のモニタリング: 北海道大学 苫小牧演習林内の河川において、繰り返し実験を行う。モニタリングシステムの設置:選定した実験河川にモニタリングシステムを設置し、キャリブ レーションを実施する。魚群行動実験:モニタリングシステムを設置したモデル領域において、同所で捕獲した複数魚 種にそれぞれタグを 10 個体装着して再放流し、バッテリー駆動期間内の受信情報を収集する。受信情報解析:得られた受信情報より種間の行動特性、生息場所選択などの相違について研究 室(宮下)所有の GIS ソフト・統計解析ソフト(R, SPSS)を用いて魚群スケールで解析する。順次得られた結果を、国内外の学会・シンポジウム・論文で発表する。
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Causes of Carryover |
RFIDのモニタリングシステムの原型構築を達成したが、当初の予定の複数台を設置した試験まで実施するに至らず、同システムの複数台の試作を行っていないため、次年度へ繰り越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、今年度構築したRFIDシステムの改良のため、実河川および室内実験を反復して行ない、システムの洗練化を図る。そのために、次年度は、今年度の予算と合わせて、複数台の試作機を作成して、本格的な実験を行う予定である。
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Research Products
(1 results)