2014 Fiscal Year Annual Research Report
造礁サンゴの新たな生体分類指標の探索-骨格形態とDNA配列の間のGapを埋める-
Project/Area Number |
26292107
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
田口 尚弘 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (80127943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 明 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (50172193)
関田 諭子 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (70314979)
奥田 一雄 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (40152417)
久保田 賢 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (00314980)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 造礁性サンゴ / 染色体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,海洋環境保護の象徴的生物とされる造礁性サンゴの種の分類手法の高度化および汎用化を目指し,1. 染色体の性状,2. 細胞内生成高分子および3. 細胞内構造が分類指標として適用可能か検討することを目的としている。 初年度の平成26年度は,それぞれの項目の予備的検討に適したサンゴ種に絞り,手法の検討を主に行なった。1. 染色体の性状については,土佐湾沿岸で比較的多く採取されるパリカメノコキクメイシを材料にして,造礁性サンゴ用にアレンジした染色体調製法を適用し,ギムザ染色法による染色体形状の観察や本数の計数を行なった。また,リボソームRNAのようにゲノム上に繰返し配列を持つ可能性のある遺伝子をターゲットとし,PCR増幅を試み,蛍光 in situ ハイブリダイゼーション用のプローブ作成も試みた。2.細胞内生成高分子については,スギノキミドリイシおよびエンタクミドリイシを対象として,質量分析計による発現タンパク質の分析法について検討した。すでにゲノム解析が終了し,配列が公開されているコユビミドリイシのデータベースを対象に検索をかけることによりアミノ酸配列分析が可能であることを確認した。3.細胞内構造の観察については,ハナヤサイサンゴを用いた褐虫藻の分裂過程の観察ならびにクシハダミドリイシを用いたサンゴへの褐虫藻の取り込みについてそれぞれ観察が可能か検討した。 各セクションで選択した造礁性サンゴ種において,分析や観察手法がそれぞれ適応可能であると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 染色体の性状,2. 細胞内生成高分子および3. 細胞内構造の各セクションにおいて,解析手法の適用のめどがついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に検討した手法を用いて,他種の造礁性サンゴの観察を行う予定である。
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Causes of Carryover |
染色体観察用試薬,タンパク質検出用試薬,組織観察用試薬やプラスチック容器類等について,以前に購入した試薬の余剰分を使用したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析対象造礁性サンゴ種の拡大により,各種試薬や保存容器の使用が予定より増加すると見込まれるので,その購入に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)