2016 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on molecular mechanisms that enable high regenerative and growth potential of fish muscle
Project/Area Number |
26292112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 滋晴 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40401179)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 魚類 / 終生成長 / 筋肉 / 老化 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼブラフィッシュにつき、幼魚から老齢魚までの各成長段階の骨格筋のRNAseqの結果、ゼブラフィッシュ骨格筋では成熟後の個体と老齢魚のトランスクリプトームが良く類似し、クラスター解析やPCAで区別されなかった。これは魚類筋肉が顕著な老化を示さないということとよく一致する。ラット骨格筋の加齢に伴う遺伝子発現変化との比較では、魚類特異な現象として、老齢魚におけるHSP遺伝子群の発現上昇とリボソーマルタンパク質群の発現低下が認められた。HSPの発現上昇が老化を抑制し寿命を延長することは哺乳類や線虫、ショウジョウバエで報告されている。また、リボソーマルタンパク質の発現抑制が寿命延長に効果があることが線虫や一部魚類で報告されている。HSPやリボソーマルタンパク質の発現はTORシグナルの支配を受け、成長と寿命のバランスを調整することが知られる。TORは酵母からヒトまで保存された寿命と成長のバランスを制御するシグナル経路の中核を成し、TORが抑制されるとHSPの発現が上昇、リボソーマルタンパク質の発現は抑制され、寿命が延長する。ほ乳類でTORの抑制により発現が上昇するATF3の発現が、老齢のゼブラフィッシュ骨格筋で発現が上昇していることも確認され、ゼブラフィッシュ骨格筋ではTORの抑制により老化抑制が起きていることが考えられた。そこで成長ホルモンを過剰発現するゼブラフィッシュのトランスジェニック系統を作出し、人為的にTORを活性化したところ、老化の促進が認められた。別途、哺乳類における老化による筋委縮への関与が示唆されているGDF11につき、ゼブラフィッシュでは哺乳類とは逆の加齢に伴う発現変化を示すことが明らかになった。TORシグナル抑制による老化抑制とGDF11シグナル抑制による筋衛星細胞の活性維持が、魚類筋肉の高い再生能力と終生成長の分子的基盤となっている可能性が考えられた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)