2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26292115
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
天野 勝文 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (10296428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 明義 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (10183849)
筒井 繁行 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (20406911)
水澤 寛太 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (70458743)
阿見彌 典子 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (20588503)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 魚類 / 免疫系 / 脳ホルモン / 腎臓 / 脾臓 / リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.さまざまな魚類の免疫器官における脳ホルモンの遺伝子発現による網羅的検索 魚類における内分泌系と免疫系の相互作用の解明のために,さまざまな魚類(ニジマス,ヒラメ,キンギョ,ニホンウナギ)の免疫器官における脳ホルモンの存在の有無をPCR法で調べた.対象とする脳ホルモンは,生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)とメラニン凝集ホルモン(MCH)とした.各魚種から免疫器官と脳(ポジティブコントロール)を採取し,常法通りRNAを抽出後,cDNAを合成した.GeneBankに登録されている各魚種の脳ホルモンのmRNA配列を基にして設計したプライマーとテンプレートをPCRに供し,PCR産物をアガロースゲル電気泳動に供して,そのバンドサイズを確認した.その結果,脳ではすべての魚種・個体で予想バンドサイズと同じ位置にバンドが確認できた.GnRH遺伝子発現は,ヒラメ,キンギョ,ニホンウナギの腎臓と脾臓,およびニジマスの脾臓で検出された.MCH遺伝子発現は,キンギョの腎臓と脾臓において検出された.
2.トラフグの免疫器官における脳ホルモンの遺伝子発現 トラフグの白血球,腎臓,脾臓などの免疫器官における脳ホルモンの発現の有無をPCR法で調べた.T細胞が副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)mRNAを,マクロファージ,B細胞,T細胞がCRH-receptor 1 mRNAを発現していることがわかった.この結果は,T細胞で産生されたCRHがサイトカインとして機能すること,およびCRHがマクロファージ,B細胞,T細胞にオートクラインあるいはパラクラインによって何らかの効果を及ぼすことを示唆する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
魚類の免疫器官に脳ホルモンが広く存在することを示すことができた.さらに,トラフグでは,脳ホルモンがマクロファージ,B細胞,T細胞に作用する可能性を示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
1.各種魚類のリンパ球・免疫器官から脳ホルモンおよび受容体を分子生物学的に同定する. 2.脳ホルモンがリンパ球の抗体産生に及ぼす効果を培養実験で確認する. 3.ストレス条件下での脳ホルモンと免疫系との関連を飼育実験で確認する.
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Research Products
(3 results)