2015 Fiscal Year Annual Research Report
ロドコッカス・エクイ病原遺伝子群(Vap family)の網羅的探索
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26292153
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高井 伸二 北里大学, 獣医学部, 教授 (80137900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 勤 北里大学, 獣医学部, 准教授 (80317057)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ロドコッカス・エクイ / 病原性 / 遺伝子 / 細菌感染症 / 馬 / 肺炎 / 網羅的解析 / プラスミド |
Outline of Annual Research Achievements |
Rhodococcus equiは、1~3ヵ月齢の仔馬の化膿性肺炎の原因となるグラム陽性球桿菌である。強毒株は病原性プラスミドを保有し、プラスミド上のpathogenicity island(PAI)にコードされる毒力関連抗原VapAをマクロファージ内で発現することで毒力を示す。本研究では20種類の強毒株病原性プラスミド型を一つのPCR反応系に複数のプライマー対を同時使用するMultiplex PCRを応用し、より簡便で迅速なPCR型別法を開発した。日本の強毒株に存在する90kbⅠ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅵ、87Ⅱa~e型を型別するために作成された4種のプライマー対を同時に使用した反応系では6種類のPCR型が出現し、87kbⅡcとⅡd型が2つの特異的PCR型を示し、残り18種類は4種類のPCR型に大別された。欧米型である85kbⅠ~Ⅵ、87kbⅠ、Ⅲ、52kb型と日本、韓国型の90kbⅡ、Ⅴ型を型別するために作成された6種のプライマー対を同時に使用した反応系では10種類のPCR型が出現し、85kbⅡ、Ⅴ、90kbⅡ、Ⅳ、Ⅴ、52kb型は6つの特異的PCR型を示し、残り14種類は4種類のPCR型に大別された。20種類中8種の病原性プラスミドは1回のMultiplex PCRにより型別可能となった。この開発により、短時間で簡便な強毒株病原性プラスミド型別が可能となったが、大別された中には点変異のみでの相違を含むものがあり、PCR型別は難しいため制限酵素EcoRⅠ等で型別する必要がある。今後、強毒株病原性プラスミドの遺伝子変異部の解析やプライマーの新規構築により本法の改良を進め、ミミズ腸管内から分離される遺伝子の網羅的解析のためのツールとなるように検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
強毒株は病原性プラスミド上のpathogenicity island(PAI)にコードされる毒力関連抗原VapAをマクロファージ内で発現することで毒力を示す。VapAの発現は様々な環境因子によって制御されており、現在、PAIにコードされている転写制御因子に関する検討も同時に進めいてる。網羅的解析と共にターゲットとする遺伝子の絞り込みにより、PAIの起源となる遺伝子の検索が進めばと考えている。
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Research Products
(3 results)